良いときこそ検証する
年度末を迎え、今期の振り返りと来期の計画が着々と進んでいる時期。
弊社の提供する職場いきいきプロジェクト(以下、いきプロ)ミーティングでも、
今期の振り返りを丁寧に取り組みます。
4月からの出来事をデータやトピックスを元に確認します。
「この数字の落ち込みのときは、何が起きていたのだろう」
「そういえば夏のはじめに、こんなことがあって大変だったね。どうやってリカバリしたっけ」
「事柄を見ると、半年前と今では起きてくる内容が違うね」
今年1年を振り返ったら、過去3年までデータを遡ります。
すると尚更、このときは何があったのだろうと、
数字の動きだけでは分からない事柄の詳細を思い起こすことになります。
まず直近の1年間の施策の振り返りと取捨選択、
そして更には過去3年間の施策の思い起こしと取捨選択をやってみます。
この振り返りをしているときにほとんどの方が着目しがちなのは、「数字が落ちた部分」です。
もちろん悪い事象があったときに、特別な施策に着手し、リカバリできたことは改善策ですから、
今後の活動計画の参考になります。
組織の状態は日々変化しますから、
そのまま使える施策かは再度、現状に合うのか検討する必要があります。
逆に見落としがちなのは、「数字が安定している。良い状態の部分」です。
良い状態が数カ月に渡り、続いているときに「何をしていたのか」を行動ベースで振り返ります。
良い状態が続いている最中の行動も検証しますが、
その良い状態に入るときの「きっかけ」となった事柄や行動も思い当たることができると、
良い状態を再現する施策を計画できます。
良い状態の検証は、見落とされがちです。
良い状態を作っているのは、何らかの良い施策、良い行動なのですが、
「あのときは良かったよね」というだけで、忘れ去られていくのです。
良い状態のときこそ、検証して深堀りし、
「どんな行動が、良い状態を作ったのか」を再発見すると、今後の計画を立てやすくなります。
新年度、すっきりとした気持ちで、行動を始めやすい施策を計画しておきたいですね。
(森川美希)