社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.18》
敬語が使えるということの意味
皆さんの会社の社内コミュニケーションの基本形は敬語でしょうか?
今は、「親しみのあるコミュニケーション環境」を意識して、
社内では敬語使用禁止にしている会社も珍しくはないようです。
使用禁止とまではしていなくても、敬語にはこだわらないという
会社や部署も少なくないのではないでしょうか。
それでも、電話対応時や客先で用いる社外コミュニケーションでは、
やはり、失礼の無いように敬語が使えることが求められます。
私どもは、会社や病院の接遇研修講師として伺うことがあります。
管理者からは「敬語を使えない職員が増えている」という困りごと、
職員からは「正しい敬語の使い方を知りたい」というご要望を
伺うことも多いです。
接遇研修では、まず以下のことをお伝えしています。
「敬語が正しく使えることも大事。
もっと大事なのが、相手への尊重を伝えたいという想い。
敬語は相手への尊重を伝えるのにとても便利な言葉。
正しいか間違っているかよりも、敬語で尊重を伝えようとしている、
そのことが伝わることに意味がある」
このベースをお伝えすることで、「間違っていたら恥ずかしいから話せない」が
かなり軽減されたら良いと思っています。
「正しい敬語」自体は、クイズ形式で楽しく覚えていきましょう。
例)✕契約書は拝見されましたか?
→正しくは→ 〇契約書はご覧いただけましたか?
クイズで面白いと感じれば、自分から敬語について調べたくなります。
「正しい敬語」「気持ちのよい言葉遣い」に関する本もたくさんあります。
「正しい敬語」でネット検索すると600万件以上ヒットするほどです。
大切なのは、丁寧に伝えたいという姿勢を持つことです。
言葉を使うときに一番大切なのは「伝えたい」という姿勢です。
外国の方がたどたどしい日本語で「説明、アリガト」と伝えてくれたら、
自分に対して感謝の気持ちを伝えようとしてくれていると感じて、
その姿勢に感動します。
言葉自体は不十分であっても、伝えようとする姿勢、受け取ろうとする姿勢が
お互いに伝わることで、心地よいコミュニケーションが成立するのです。
さらに、「分かりやすく説明して頂き、心から感謝申し上げます」と
敬語を使った表現ができると、丁寧な姿勢がより伝わりやすくなります。
「敬語が使える」ということには、「相手への尊重を丁寧に伝える準備をしている」、
そういった意味があるのです。
(柴村 馨)