もしも「ルール」を守らなかったとしたら……。

「ルール」という言葉を聞くと、さまざまな意味を思い浮かべます。

決りごと、規則、約束というような意味合いで、使われていることが多いと思います。

「交通ルール」というと、道路交通法から交通マナーまでの広い範囲を指します。

「社内ルール」はどうでしょうか。

就業規則から始まり、一般的な社会人マナーまで、

こちらも広い範囲を意味していることがほとんどです。

「社内ルール」は業務内容によっては、作業手順書、マニュアル、指導書、手引き、など

表現はいろいろとありますが、これらの「社内ルール」の存在意義や目的を考えてみたことは

ありますか?

職場いきいきプロジェクト(以下、いきプロ)で訪問している、ある職場での定例ミーティングで

「社内ルール」について話し合いがありました。

通常のミーティング内容に加えて「ルールが守れなかったら、どうなると思いますか」という議題を

マネージャーが示したのです。

スタッフは、それぞれ考えて発言します。

主な意見は、下記のようなことでした。

人間関係を作れなくなる、人間関係を続けていけない、守らない人がいることで摩擦が起きる。

「たった1つのルールくらい」と思うこともあるかと思いますが、

このルールの運用と取り組み方次第では、組織の基盤ともいえる「人間関係の信頼構築」に

大きく影響すると、これらの意見を聞いて思いました。

さまざまな価値観を持つひとたちが集まって組織となっていますから、

「これくらい」と思うポイントが違い、「ここは外せない」という重点も変わってきます。

だからこそ、社内ルールが策定された意味や目的、必要に応じて経緯を伝えて、

同じ感度でルールに取り組める環境を作ることが重要です。

先ほど例としてあげた「ルールが守れなかったら、どうなると思いますか」など、

ルールについての認識を考える機会をつくるなどの取り組みがおすすめです。

この「意味・目的・(経緯)」を伝えることを手厚く丁寧にしている職場は、

スムーズな良い状態で在り続けられていると思います。

(森川 美希)