少しの時間で業務は進む、連絡一つで業務を効率化した方法
職場いきいきプロジェクト(以下、いきプロ)で継続的に訪問しているある職場でのことです。
こちらは昨年度、ミスやエラーが多く、準備段階を経て下期からいきプロを開始しました。
まだ初期段階ですので職場内の状況を把握するため、いきプロ会議やミーティングの合間に、
内勤者と外勤者のやり取りを観察していました。
内勤スタッフは固定電話も取りますが、圧倒的に携帯電話での通話が多く、
会話の様子から外勤者との会話だと推測されました。
管理職の方に確認すると、昨年度の状況をふまえて、
まずは「連絡を取り合おう」というところから始めているとのこと。
昨年多かったミスやエラーの原因のひとつに「伝えたつもり、確認すれば良かった」という、
コミュニケーションエラーがあるということから、業務の区切りごとに確認電話をする取り組みを
していたのです。
外勤者も電話をすることが当たり前になっているので、1つの業務が終わると次へ行く前に、
担当の内勤者へ1本電話を入れ、確認をしてから動きます。
何もなくても連絡が入りますから「順調ですね!次へ向かう道中、お気をつけて」など、
スムーズに業務が捗っているかという現状把握にもなっていました。
そして外勤者が会社に帰ってくると「おかえりなさい!」と、
すべての内勤者があちらこちらから声をかけます。
すると、用事がある内勤者は、待ってましたとばかりに外勤者に話しかけ、
業務について話し込んでいます。
「おかえりなさい!」の各々のかけ声が「帰社した人がいる」というアラーム機能になっており、
外勤者が帰社したことに気づかずに帰ってしまう、ということを防いでいます。
「用事があったのに気づかずに帰ってしまった」ということがなくなり、
後追いで電話をして、運転中で取れない、電車内で話せない、などのすれ違いもなくなりました。
小さな事業所だから出来ることかもしれませんが、
どの規模でも工夫できるところはあるのでは、と思います。
いきプロに取り組んでいる別の事業所では、2階に内勤者のいるスペースを設けていましたが、
外勤者の帰社の状況が見えてこない、と1階へ内勤スタッフの事務スペースを
移設したところもあります。
IT化が進んでいるからこそ、リアルに会える僅かな時間を、どう活かすのか、
各社とも工夫をこらしています。このような工夫を目のあたりにすると、
結局、人だな、と実感します。
(森川 美希)