会議からも仕事からも、逃げなくなった方の事例
面倒な会議だと思うと、誰しも「出たくないな」と思うものです。
弊社が提供している組織力強化プログラム
”職場いきいきプロジェクト!”(以下、いきプロ)での会議も、
取り組み当初は、そのように感じる方もいます。
「肝心なときにいつもいない」そういう方は、私どもの経験上、どの組織にもいると思います。
突発対応や緊急事態はありますから、すべての事象をどうと言うつもりはありません。
ある職場にも、そのような方がいました。
いきプロ会議にも来ない、肝心なときに外出している、相談したいのにいない、
いきプロが始まったとき、そのような状況が度々あり、
あのひとはいつもそうだ、という声もありました。
いきプロ会議を重ね、PDCAを回す中、一般職のチーム分けが完了し、
チームミーティングを始める準備が整いました。
それぞれ担当チームを決めて、リーダーが育つまでは
各管理職がファシリテーターを務めようということになり、
月1回のチームミーティングを、各々担当しよう、と自分たちで決めました。
すると、この方も自分の担当チームのミーティングには出ない訳にはいきません。
前もって、自分の予定も聞かれ、ミーティング日程をセッティングされます。
一般職の方が全員集めようとするとスケジュール調整が難しい業務をされていますから、
ファシリテーターである管理職が席を外すなど論外なのですね。
こうして各チームが整い、チーム活動を始めるキックオフも爽やかに終わり、
いざチームミーティングの初回が各自、始まっていきました。
チーム数は2職場で16~17チームあったと思います。
その中の2~3チームをそれぞれの管理職が担当します。
この方の開催するチームミーティングに立会い、後方から観察していると
ファシリテーションがとても上手く、全員に意見を促し、
初回でしたが、かなり多くの意見が抽出され、課題として浮彫りになりました。
課題が発見されれば、あとは改善に着手するだけです。
チームリーダーも「自分はこれをやります」と積極性を見せ、
チームメンバーも「今月は、これに取り組もう!」とみんなで決めて良い流れとなり、
この方も「この課題はこちらで預かるので次回この会議でフィードバックしますね」と、
各人の「取り組み行動」が明確に分かりました。
チームミーティングの回を重ね、このような体験が積み重なり、
この方のチームミーティングのファシリテーションには定評がついて
他の管理職がお手本に見に来るようになりました。
そして、「課題」が明確に分かりやすくなったため、着手しやすくなり、
目に見えて、環境改善、職場改善が進んで、成果も出てきました。
効率化が進み、業務時短となり、手順の見直しから事故、ミスが減って、
ロスコストが目に見えて削減されました。
今まで、後回しにしたり、まあいいかと見過ごしたりしてきた仕事を
すぐに着手してしまえば早期に終わるという体感もあり、
仕事からも逃げなくなったのです。
ミーティングのあとは、リーダーやメンバーから「相談が…」と言われ、
1on1もひっきりなしで対応していました。
このように結果が出るから面白くなったのでしょう。
1年半が経過する頃には、いきプロPDCA会議に、この方は10分前には来るようになり、
いそいそと準備をしてくれて、
ホワイトボードやペンの整備などにも配慮してくれるようになりました。
ひとは、どのタイミングでも変われますし、
得意を活かせる部分を発見して、そこを伸ばせば
全体も底上げされるのだな、と感じた事例でした。
(森川美希)