業務効率化につながる、部署を越えた情報の”ヨコ”共有

同じフロアで働いていても、あっちはあっち、こっちはこっち、と

いわゆる“島”で分断されて、縦割りで仕事をしている職場が多いと感じます。

弊社が提供している組織力強化プログラム”職場いきいきプロジェクト!”(以下、いきプロ)で

職位別の会議を開くと、部署を越えて、係長が集まる、課長が集まる、という

ヨコの繋がりを数カ月、重ねることになります。

そうすると、今まで挨拶や会話はしたことがあるが、

向き合って仕事の話をしたことがなかった人同士の対話が始まるのです。

隣の島にいますから、何となく上手くいっていないのかな、という雰囲気には気づいていても

面と向かって「どう?手伝おうか?」とは、なかなか行きづらかった関係性が、

いきプロPDCA会議への参加で一気に縮まります。

「なんだ、同じようなことを課題だと思ってたんだ!じゃあ、一緒に改善しようよ」と

いきプロ会議の次の会議までに、

日程を合わせて、違う部署同士で、合同ミーティングを開催された事例がありました。

情報の”ヨコ”共有です。

2人の管理職が率いる2つの部署が、初めて一緒に会議をするわけです。

結果を聞いたところ、会議は紛糾した、と2人ともが口を揃えて言いました。

「自分たちは性格が違い過ぎるんです!『しくみ』派と『根性論』派なんです!」と、

この表現を聞いて、笑ってしまいました。

まったく違う2人だから、補い合えるよね、とフィードバックすると、

「そうなんです!自分が“しくみ”を整えて、相手が“みんなでやろう!”と巻き込んでくれました!」

と、何とも、ピッタリ息が合っているじゃありませんか。

会議の内容を詳細に伺うと、何も紛糾しておらず、意見が多く出ていて、

2つの部署に同じ課題があることが分かりました。電話が多すぎて困る、ということでした。

それは指導教育で乗り越えられそうだ、WEB注文システムの勉強会をしよう!と計画し、

社内で講師をお願いすると、その講師役は

「自分の知識を教えることで、分かるひとが増えたら、即対応できてお客様にも良いよね!」と

2つ返事で、即引き受けてくれたそうです。

結果、電話がかかるたびに、WEB注文システムをご紹介することを誰もができるようになり、

担当部署ばかりに電話のしわ寄せが行くことなく、お客様もたらい回しにされずに

結果WEB注文に移行してくだされば電話自体が減るという、

みんなにメリットがある状況を作り出せました。

視野を広げよう、他部署や次工程に配慮しようと、いくら話して聞かせても

相手の状況が分からなければ、手を出せずに現状は何も変わりません。

会議を重ねて、意見を気兼ねなく言えることが、

組織内の本物の配慮を生み出します。

(森川美希)