日本流通新聞コラム”うん、そうね!”5.だろう運転、だろう管理

日本流通新聞コラムを連載中です。

第五回は、2022年3月7日号に掲載されています。

管理者のみなさまは、

いつも安全運転教育を行うときに、

必ず「だろう運転」ではなくて「かもしれない運転をしよう」と

指導されていると思います。

道路状況に応じて危険を予測し

「出て来るかもしれない、危ないかもしれない」と先回りして

構え運転をすることはとても大切なことです。

ところで、みなさまは「かもしれない管理」をされていますか。

「あの人ちょっと心配だけど人が足りないし行かせてもいいだろう」

「この人は今まで事故がないから何も言わなくて大丈夫だろう」と

「だろう管理」になっていませんか。

日頃から「ここが心配だな」と思っているなら、

注意しなくてはいけない部分について、

先回りして補うことが重要です。

そして、いつもバッチリなエースたちは

誇りを持って人一倍がんばってくれているからこそ、

「いつもありがとう、今日は雪が多いみたいだから注意してね」と一声をかけて

最新の情報を提供する場を持ちたいものですし、

基礎項目の振り返りも繰り返し行うことで

自己流になることを防ぎたいですね。

トラックが大好きなドライバーさんたちは、

つい頑張ってしまうので体調管理も管理者が配慮し、

表情や動作を見て

「おはよう、今日はよく眠れた?ちゃんとごはん食べた?」と声をかけて

体調や心の状態を確認したいものです。

現場で働いている本人たちの方が

自分の危ないかもしれない状態に気づきにくいところもありますから

経営者や管理者は、

「大丈夫だろう」をやめて「危ないかもしれない」と気づける

コミュニケーションを図って、

日々安心して働ける職場環境を整えて行かなくてはなりません。

<プロフィール>

安全組織マネジメントコンサルタント

森川美希(もりかわみき)

株式会社安全会議 代表取締役

現場中心法を用いて、社内に安全風土を醸成する「現場いきいきプロジェクト!」にて

事業所の安全活動を支援中

(安全会議事務局)