日本流通新聞コラム”うん、そうね!”4.長所と短所は表裏一体
日本流通新聞コラムを連載中です。
第四回は、2022年2月21日号に掲載されています。
自分のことを話すときに
「私、せっかちだから」「自分は細かいこと苦手なんですよ」と言うひとがいます。
この言葉には「だから、ごめんね、そこを直すつもりは無いの!」と
免罪符のような無意識の気持ちがあるように感じます。
適性診断に基づく面談を重ねて来ましたが本当に多いです、この反応。
このとき私は質問します。
「せっかちを出さないための行動は何をする?」
「苦手な細かいことでもやるべきことなら、どう取り組む?」
その傾向と共存しながらも業務をミスなくできるための行動を、その人と一緒に見つけます。
そんな時に伝えるのが
「長所と短所は表裏一体で1つの傾向が場面によって評価が変わる」ということです。
せっかちは運転中には先急ぎで危ないですが
普段は物事を後回しにせず、すぐに取り掛かったりします。
細かいことは苦手でも概要をサッと掴むことに長けていたりします。
なので、一見、評価が良い長所の傾向も場面での出し方によっては
短所になりうることもあるんですね。
明るいのは、うるさい、
冷静なのは、つめたい、
おおらかなのは、ツメが甘い、など、
場面や見方、受け取り方で変わることもあると踏まえて、
面談のときは日頃の行動や状況を丁寧に聞いて対応します。
例えば「よく話して場を盛り上げる」
1つの傾向が「明るい」と捉えられるのか、「うるさい」と捉えられるのかは、
TPOによるだけなんです。
運転中という場面では、
せっかちを出さず、確認を細やかにして安全運転をし続けて欲しいものです。
その人に合った短所長所の「傾向を補う行動」を一緒に見つける、
そんな面談を心がけています。
<プロフィール>
安全組織マネジメントコンサルタント
森川美希(もりかわみき)
株式会社安全会議 代表取締役
現場中心法を用いて、社内に安全風土を醸成する「現場いきいきプロジェクト!」にて
事業所の安全活動を支援中
(安全会議事務局)