社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.48》

コミュニケーションにおけるマナーとは?

新入職員を主な対象として、年度始めのこの時期には「接遇研修」を

実施されている会社も多いのではないかと思います。

接遇研修の内容は、講師によっても異なる部分があると思いますが、

「敬語の使い方」や「挨拶の大切さ」「身だしなみの整え方」等、

基本的なマナーに関することは入っているのではないでしょうか。

接遇研修を受けられた方々の感想として、

「こんなにたくさんのルールを守らないといけないのは大変そう」

「先輩たちも実践できていないことを、なぜやらないといけないのか」

「こんなことを気にしていたら、緊張してしまうだけ」

「できる自信がないので、お客様対応はできるだけ避けたいと思う」

「多様性の時代に、細かなルールを押しつけすぎ」

といった声が聞かれることがあるようです。

共通するのは、「接遇では守らなければいけないルールが多くある」という

イメージを持っているのではないかということです。

接遇研修では基本的なマナーを学ぶことになりますが、

そもそも「マナー」とは、相手のためにあるものです。

敬語を始めとした、自分が守らなければならないルールがたくさんあって、

間違ってはいけないもの、というものではないのです。

相手が不快になったり不安になったりすることがないような

態度や行動・言動を取るようにしましょう、というのが「マナー」です。

仕事でお互いに関わることがわかっている状態で挨拶もしないのは、

「自分の存在が軽んじられている」と相手が不快になったり、

「もしかしたら自分は嫌われるような失礼なことをしたのでは」と

相手を不安にさせてしまったりします。

相手の存在を尊重していることを伝えるのが「挨拶」ですから、

きちんとした挨拶が自分からできることが大切なのです。

コミュニケーションにおいて、マナーを大切にするということは、

相手のコミュニケーション・スタイルに合わせることも含みます。

メールのやり取りを例に取ると、「件名」の書き方一つでも、

相手(会社)によって異なります。

自分の会社の書式もあるとは思いますが、相手の書き方に合わせた方が、

スムーズに見てもらえる可能性が高くなります。

「相手に負担をかけないコミュニケーション」がコミュニケーションにおける

マナーになるのです。

自分のコミュニケーションが相手にとって、スムーズで心地よいものに

なっているかどうか、どうしたら良さそうか、そう考える姿勢こそが、

コミュニケーション・マナーとして必要なのです。

(柴村 馨)