意外とやったことがないミーティング

多くの企業では様々な会議やミーティングが、定例、不定期、突発的に開催されています。

弊社は社名のとおり、「安全会議」を活性化するサポートを主力業務として提供しています。また別の側面として、この「安全会議」という社名にまつわる「安全」には、「心理的安全性を担保したい」という願いもあり、「心理的に安全な会議の運営、進行」もサポートし、提供しています。

弊社で提供している職場いきいきプロジェクト(以下、いきプロ)では、サポートしている事業者の社内で、キーワードに応じてプロジェクトを組み、メンバーを募って開催しています。キーワードの多くは「安全」ですが、事業者によっては「活性化」や「自主的/自走」がキーワードとなることも増えてきました。

例えば、A社の場合「安全」キーワードの会議では、これまで輸送の管理職のみが集まって会議をしていたのを、現場の管理者、関連する他部署の管理者にも同席してもらう提案をしました。「このメンバーで話したことはないよね」と最初は戸惑いがありました。しかしながら会議を重ねるうちに、輸送部署での安全取り組みや工夫を深めるために、関連部署からサポートできることがあるのではないかと模索するようになってきました。

その結果、ドライバーの積み込み時の事故を防ぐために倉庫作業管理者がドライバーの作業時の見守りにも注力し、声をかけていくことを提案してくれました。輸送の管理者はもちろん日々、点呼時の声かけや指導をしています。配車担当からは帰社時に「今日は、どうだった?困ったことはなかった?」とリスクの芽になりそうな事柄を話すきっかけ作りを、こちらから話しかけて情報収集することになりました。直接の事故予防対策ではなくとも間接的に事故予防につながる動きに他部署も関わっていくことで全体の底上げができます。このようにしてA社では、協力体制を他部署も交えて強化していくことで事故削減と軽減に繋げています。

またB社では「活性化」「自主的/自走」をキーワードとして、今後の活躍が期待されるメンバー構成で、新たなミーティングを毎月1回開催していくプロジェクトを開始しました。すると最初の反応は、「良いやり方を教えてほしい」「他社事例を聞いてみたい」というような状況でした。このメンバーに、いきプロミーティングで関わっていくと「デスクで隣に座って話はしても、ミーティングをすることはなかった」というようなことが分かってきました。

現状、取り組んでいることや今期の目標、そして年間の繁閑に伴う業務の流れと、その流れに合った施策を考えてみてもらうと「この時期に、前もって注意喚起をしたほうが良い」「この季節には、この教育を計画しておこう」などと、自発的に行動計画が発案され、翌月には実践したことへの検証を話し合うように変化してきました。「このミーティングで自分たちの取り組んでいる方向性が合っているのか答え合わせになり、次のことを考える機会になっています」と頼もしい発言もあり、メンバーが自主的に動くことで、スタッフの動きにも変化が見られ、徐々に職場が活性化してきています。

現時点で起きている“課題”のキーワードに応じて、その中心となるメンバーを集めた会議やミーティングは、意外と開催されていないと感じます。本当に手を動かして業務を進める現場の人たちや、より現場に近い管理者たち、また業務に関連する他部署も交えたミーティングや会議を実施していくことで新たな展開が見えてきます。

(森川美希)