事故予防コミュニケーション:新人に無事故無違反無災害で定着してもらうための見守り教育

新人が入社してきたときの教育は、どのようにしていますか。

会社の新人教育マニュアルがあり、平準化されている会社も多くなってきたと思いますが、

業務や部署によっては、まだまだ所長や課長が

自分なりに工夫して教育しているという現場も多いと感じます。

業務内容によって、ある程度の基礎はマニュアル化できても、

現場で教えないと伝わらない業務はどこにでも存在します。

これまで関わらせていただいた会社様の多くは、

新人教育開始からおおむね2週間程度、

長くても1カ月もすると1人で業務を任されることがほとんどです。

どうにか一通り業務を教えたあと、ここからが人材の定着には大切な時期になります。

弊社が提供するサービス“現場いきいきプロジェクト”のミーティングで

議題に上がるキーワードの1つが「新人」です。過去の取り組み事例を紹介します。

A社では入社3年未満の事故が多いという課題があり、

B社では入社1年未満の事故が多く、事故を起こすと居づらくなり辞めてしまう

という課題がありました。

そこでA社の場合、5年分の事故傾向を遡って集計してみると、

入社3年未満者の事故が7割を占めていることが分かり、

入社3年経過するまでの見守り教育を計画しました。

日頃は始業時や終業時に直属のリーダーや業務担当者が声をかけ、

業務の困りごとがないか聞き取って見守ります。

そして弊社カウンセラーが2カ月に1回、

ヒヤリハット報告を聞くなど事故予防に関連するヒアリングと対話を行います。

今は取り組み3年目に入りましたが、3年未満者の事故は1割にまで減少しています。

B社の場合は、管理者ミーティングで新人フォローアップ確認を定期的に行っています。

節目の面談と業務スキルの確認(同乗指導や作業観察、実技訓練など)を、

いきプロミーティングのときに進捗確認します。

節目は、細やかに設定しています。

1カ月目、3カ月目、半年、9カ月目、1年目、1年半、2年目、2年半、3年目です。

この節目のスパンで新人見守り確認をしておくと、

事故に結びつきそうな不安全行動や離職になりそうな困りごとに早めに気づいて対処できます。

こちらでは新人の定着率が上がっています。

このような事例から「新人の事故」や「新人の離職」が課題のキーワードに上がってくるときは、

「入社3年までの見守り教育」プランを現場の皆様と一緒に考えたり、

それぞれの現場で考えて計画してもらったりすることで、

無事故での新人定着へとつながっています。

(森川美希)