リーダーシップ サミットに参加して学んだこと Ⅱ

3月22日~24日の3日間、

Fish Family財団とEast-West Centerで共催されたHawaii Summitに

JWLI(Japanese Women’s Leadership Initiative) アラムナイ(卒業生)として

招待され参加してきました。

JWLI Hawaii Summit 2023 “Transforming crisis into opportunity”

– Women’s Leadership Global Summit-

「危機をチャンスに変える」と題されたサミット。

日本の女性リーダー 37名とともに、

アメリカの女性リーダーをはじめ、男女問わず様々なリーダーにお会いし、

現地視察で現場を拝見したり、お話を聴いたりしてきました。

第1回目の内容はこちら:リーダーシップサミットに参加して学んだことⅠ

この内容の第2回目を、書き綴りたいと思います。

「相手に最適な話の聴き方をする」

現地視察で伺った障がい者自立支援NPO(ラナキラ・パシフィック 事業規模 約19億円:年間)の

CEOの言葉が胸に、深く残りました。

「さまざまなスタッフがいる中で、みんなの話を聴こうと思うと、

 相手のスタイルに合わせることが重要です。」

こちらのNPOでは利用者の方々の状態に合わせた支援をしているので、個別対応の業務となります。

利用者も個々の事情を抱え、その状況に合わせて支援を進めていくなかで、

スタッフも個別対応にした方が「聴ける情報が増える」と実感したそうです。

公式な会議やミーティングの場で、多くの人がいる方が発言が多い人もいますし、

会議後の廊下を歩いているときの方が饒舌になる人もいます。

1on1で腰を落ち着けた方が話やすいひともいれば、メールの方が安心なひともいれば、

電話で話す方が話しやすいひともいるのです。

私は今まで、小グループでスタッフが中心となったミーティングが

一番、忌憚なく話せる場だと考えていましたが、やはり1on1はパワフルに情報を聴けますし、

面談よりも電話やメール、歩きながら話した方が情報が出やすい人がいる、というのは改めて、

そうかもしれないと感じた部分でした。

コミュニケーションスタイルは、直接会うことだけが効果的とは限らないもの。

パーソナルスペースの感覚は人それぞれで、電話やメールの方がしっくりくる方もいますし、

リモートの方が話しやすいという方も中にはいます。

また、その人の状態によっても、会って話した方が効果的な場合とリモートや電話など

一定の距離感を持った方が率直な意見が出る場合もある、と思います。

CEOは多忙な自分の時間を上手に使いながら、

それぞれのスタッフとの対話を欠かさない、と話していました。

「相手は、人なんです」

このひと言に、

「相手の背景への配慮を欠かさず、尊厳を持って対話する」ということが

集約されていると感じました。

良い状態で、気持ち良く働いてくれるスタッフを大切にし、

その結果、利用者への対応も気持ち良い対応へと循環していく。

その循環の出発点をCEOがセットしているのです。

コミュニケーションには「返報性」があり、

こちらが発したものが相手に伝わり、相手から返ってくるのです。

自分がされたことや体験したことが経験値となり、他のひとにもしてあげられる。

この循環は、リーダーから最初に発していくものだと実感を伴って、体現されていました。

他の多くのリーダーの皆様も、

それぞれ表現は違っても、「まず相手の話を聴くこと」だと語っていました。

そのように相手の現状把握をしてから対応する、ということなのです。

聴いたままにせず、すぐに行動へ移す素早さもリーダーシップの基本だと改めて気づきました。

この数日間、さまざまなリーダーと出会って、お話を聴き、そのたびに

「あなたは、どうしたい?」と突きつけられたように思います。

私のビジネスコミュニケーションスタイルも見直す機会となりました。

相手に合わせた話の聴き方、そして定期的に話を聴く時間を取っていること。

これが組織の動きを早くし、施策が的を得ていく秘訣だと感じました。

(森川美希)