社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.17》

社外での社内コミュニケーション―飲みニケーション編

社内コミュニケーションの延長上の「社外の社内コミュニケーション」、

今回はその続編として、終業後のお付き合いをテーマにしてみます。

いわゆる「飲みニケーション」と言われているものです。

終業後に社内メンバーと飲食を共にしてコミュニケーションを図る、

そうすることで、社内では知る機会の無かった上司の意外な一面を知って

親近感がわいたり、メンバー同士で仕事について熱く語り合ったり、

新人の緊張が解けて指導役の先輩との関係性が作れたり、と

心理的な距離を縮めるきっかけになります。

もちろん、同意なき強制的な飲みニケーションでは、そのような効果は

期待できませんし、パワハラやセクハラの場になるのは言語道断です。

日本生命保険による「飲みニケーションは必要か?」調査(2017年~)では、

2021年に必要派の回答が初めて半数を切り(38.2%)、不要派が6割超となっています。

コロナ禍で飲み会の機会自体が減ったことも影響しているでしょう。

2022年は、必要派が増えて45.6%となりましたが、やはり半数を切っています。

必要派の理由としては、「本音を聞ける・距離を縮められる」「情報収集できる」、

若手では「悩み(仕事)を相談できるから」が上位にあがっています。

不要派の理由としては、「気を遣うから」「仕事の延長と感じるから」が上位です。

(2022年度調査 https://www.nissay.co.jp/news/2022/pdf/20221116.pdf

 2021年度調査 https://www.nissay.co.jp/news/2021/pdf/20211117.pdf

さて、本題の「社外の社内コミュニケーション」としての終業後のお付き合い、

「飲みニケーション」ですが、そのメリットが「心理的距離を縮める」ことにあり、

「相談がしやすくなる」ことにあることに注目してみましょう。

そもそも、「この人ともっとコミュニケーションを取りたい」と思ったら、

「飲みニケーション」がなくても、その機会や時間は作りますね。

相手がリラックスしていそうなランチタイムやティータイム、

喫煙者ならばモクモクタイムなどを狙って話しかけに行くでしょう。

帰りの会社玄関までの移動時に少しだけ話をすることもありますね。

このように、社内でも小さなチャンスはたくさんあります。

その上で、もっとじっくり話したいという気持ちが高まったときが、

社内なら面談、社外なら飲みニケーション、の最適タイミングです。

「飲みニケーション」がプラスに働くのに必要なのは、

まず社内コミュニケーションでの働きかけがあること、です。

その上での「飲みニケーション」であれば、「気を遣うから」という

デメリット面よりも「心理的な距離が縮まる」というメリット面が上回り、

「参加したい」「参加してもいいかな」と思えるものになるでしょう。

さらに、「飲みニケーション」が敬遠される原因となっていることを

防止するルールが決められていれば、安心して参加できます。

 例)・各自、飲みたいものを飲む。アルコールを強要しない。

   ・1次会は「お酒なし・1時間半でお開き」の懇親会とする。

   ・帰りたいタイミングで帰ってOK!無理に引き留めない。 などなど。

要は、「相手を大切にできない飲み会になるならしない!」ということです。

「飲みニケーション」でも大切なのは、

やはり倫理観(人として相手を大切に思うこと)ということですね!

(柴村 馨)