社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.11》
気まずさ吸収力-その1
「おはようございます」のあいさつや「ありがとう」の言葉など、
自分からのコミュニケーションをこれまでにお勧めしてきましたが、
自分から話しかけるのはどうも苦手だというご相談もよくいただきます。
話しかけたときの相手の反応によっては、気まずい雰囲気になるから、
とのことでした。
気まずさというのは、相手との間に小さな壁ができる感じですね。
これを放っておくと、だんだんと厚さと高さを増していって大きな壁となり、
相手に対する苦手意識にまで膨らんでしまうことがあります。
小さな壁のうちであれば取り払うことは容易なのですが、
大きな壁になってしまうと面倒です。
小さな壁のうちに、この気まずさを吸収して無くしてしまうことを
気まずさ吸収力を発揮する、と呼んでいます。
この気まずさ吸収力には3つあるのですが、今回は「その1」として
「気づかないフリ」についてお伝えします。
大事なものを家に忘れてきた自分に腹が立つとか、
通勤途中にちょっとイラッとすることがあったとか、
なんとなく不機嫌な状態で出社してしまうこと、ありませんか?
すぐに気持ちを切り替えたり、会社内に入った時点でリセットしたりできれば
問題ないのですが、そのタイミングが少し遅れてしまうことも。
「おはようございます!」という同僚のあいさつに
ちょっと不機嫌そうな表情だけを返してしまい、
自分でも「あ、関係ない人に八つ当たりしてしまった…」と反省。
まさに、気まずい状況ですね。
気を取り直してあいさつを…と思った時に、
「どうしたの?なんか不機嫌だね」とか、
「え?何か気に障るようなこと言いました?」と言われてしまうと、
その不機嫌さを修正しにくくなることがあります。
ちょっとした気分の波に過ぎなかった不機嫌さが確定されてしまうと、
気まずさも固まってしまいます。
もしも、相手が自分の不機嫌さに気づかずにいてくれたら、
スムーズに「いつもの自分」を取り戻すことができて、
「あぁ、気づかなくて。おはようございます!」と言えるのではないでしょうか。
立場を変えると、相手が気分の波のような不機嫌さを出してきたとき、
「気づかないフリ」をして、いつも通りに接することで、
相手が「いつもの自分」を取り戻すことをサポートできるのです。
「気分の波のような気まずさは、気づかないフリをすることで吸収する」
これが、1つ目の「気まずさ吸収力」です。
(柴村 馨)