誰も気づいていない無駄業務を見つけるには?
弊社が提供している
組織力強化プログラム”職場いきいきプロジェクト“の
素地となる出来事のひとつを紹介したいと思います。
私の前職の同僚で、いつも一生懸命な事務の方がいました。
その方は手書きの作業が多くても黙々と取り組んでいました。
大きな台帳を取り出し、手作業で毎日書きこんでいます。
とても大変そうにしているので、
ある日「大変そうですね、どんなことをしているんですか」と声をかけると、
「〇〇をチェックしています」という返答に私は驚きました。
システムでデータ化され、ダウンロードもできることを手作業でやっていたのです。
「それはシステムでできるのでは?もしくはExcelで出来そうですが、どうなんでしょう?」と
問いかけてみました。
回答は下記のような内容だったと記憶しています。
「前任者から引き継いだ通りに台帳を作成して、手書きしています。
本社からも上司からも指示がないので、そのままやっています。
システム化やExcel化などは上司が考えることで私は判断できません。」
またも私は驚きを隠せませんでした。
「今やっていることを上司に相談しましたか?工夫しましたか?」と
再度、問い直すと「上司に話しても内容が分からないし、どうせ何も変わらないですから」と
微笑んで話してくれて、ペンとハンコとスタンプを駆使して、また黙々と作業に戻りました。
この台帳の存在は、私から見ると全く不必要と考え、当時の支店長に相談しました。
この台帳の内容はシステムで見れるし、ダウンロードもでき、紙ベースで必要なら
プリントアウトすれば良い。
そうすれば、事務の方の残業は無くなり、早く帰ることができるのです、と。
結局、支店長は台帳の存在を気にも留めておらず、全くその通りだね、と撤廃されました。
皆さまのチームにも、実は気づいていないところに、このようなケースがあるかもしれません。
業務が分からないから、任せているから、あの人の方が経験が長いから、
と形骸化したものに時間をかけ続けてしまうことはよくあります。
チームメンバーの業務に興味を寄せてみると、驚くような作業が普通に、
しかも毎日行われているかもしれません。
任せきりで放置してブラックボックス化させずに、業務内容について話し合って棚卸をしたり、
ジョブローテーションをしたりするなど、自分の仕事の前工程・次工程にも目を向けると
生産性が格段に上がるヒントが必ずあります。
※この記事は、2017.10.10に掲載したブログを修正して再掲しています。
(森川美希)