社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.9》
思わぬ反応があったとき
私たちはコミュニケーションにおいて「暗黙の期待」を持つものだと
Vol.2の回でお伝えしました。
相手の反応をなんとなく期待するのです。
これは、相手が上司であっても、同僚であっても、部下であっても、
それこそ、家族などのプライベートな間柄の人であっても同じです。
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また、話題によって、ポジティブな反応を期待していることもあれば、
ネガティブな反応をなんとなく想定(これも期待の一つです)していることもあります。
ネガティブな反応を想定していて、相手が思いがけずポジティブな反応を
返してくれたときは、嬉しいようなほっとするような気持ちになりますね。
相手に対して持っていた印象が好ましいものに変わるほどの安心感があります。
ただ、ポジティブな、少なくともネガティブではない反応を期待していたところに
ネガティブな反応があると、思わず動揺してしまうことがあります。
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例えば、部下に「いつも頑張ってくれて感謝していますよ」と伝えるとき、
おそらく、笑顔で「ありがとうございます」とか、意外そうな顔だけれど「どうも」とか、
そのような反応をなんとなく期待します。
それが、怒ったように「感謝はいいから頑張らなくて済むようにしてください」とか、
無表情に「ありがとうございます。良い上司って感じですね」と嫌みな反応を返されると、
気持ちがざわっと波立つのを感じるのではないでしょうか。
このような思わぬ反応が返ってきたとき、どう気持ちをコントロールすれば良いのか、
という質問を受けることがあります。
ムッとする、カッとなる、ざわっとする、といったネガティブな動揺を感じたときは、
ひとまず、特別な反応を返さずに、「ん」とだけ返して、
その反応の意味することを考えてみます。
「頑張らざるを得ない状況」になっているということなのか、
「そこに打つ手があるのに打っていない」と見えているのか、
「上司として期待していることが他にある」ということなのか……。
多くの場合、ネガティブな反応は「改善のヒント」を含んでいます。
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相手の思わぬ反応に対して、その場でこちらも反応してしまうのではなく、
「改善のヒント」を活かして、
「ムダと感じている業務があるのだと思うから、一緒に業務の洗い出し確認してみよう」
といった働きかけをするのです。
少し時間をおいて、相手の反応が意味するところに寄り添った反応を返せると、
相手にとっては、「ネガティブな反応を想定していたのに思いがけずポジティブな反応を
返してくれた」ことになります。
相手がこちらに対して決めつけている見方を変えるチャンスにもなります。
とは言え、ざわっとした気持ちを抑えるのは難しいと感じる方もいるでしょう。
心の中で「おっと、なるほど、そう来るのか」とつぶやきながら、
「さて、どうしたものかな」と考えることに集中する、
そんなイメージトレーニングを繰り返すのがお勧めです。
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(柴村 馨)