社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.7》

リモートで伝わりにくくなるもの

新型コロナウィルスの流行によって社内コミュニケーションの環境も大きく変化しました。

流行以前からリモート会議を多用していた会社も少なくないとは言え、

リモートにおける会議やミーティング、初顔合わせまでも含めた

ここまでの利用者・利用場面の拡大は流行をきっかけとしたものだと言えそうです。

リモートとリアル、どちらが話しやすく感じられるでしょうか?

「やっぱり、リアルに会って話す方がいいよね」という声も耳にしますが、

実は、コミュニケーション・スタイルや場面によって、感じ方は違うものになります。

私たちがリアル(対面)で話をするとき、実は相手の細かな仕草などを視野の中に捉え、

そこから相手の言葉にしていない思いを受け取っています。

「非言語コミュニケーション」と言われる、「言葉そのもの以外」の要素です。

表情や声、間の取り方などはもちろんのこと、微妙な手や足の動きも情報源になります。

例えば、会議中にはっきりと発言の意思を出しているわけではないのだけれど、

手を少しだけ握るような動きを見せた人に、「何か意見があるのではないか」と感じて

「○○さん、何か意見をいただけますか?」と促すと、

「自信はないのですが…」と言いつつ、しっかりとした意見を述べてくれる。

そのような経験はないでしょうか?

出したい意見があるのだけれど、どう言おうか…という迷いが手元に出るのです。

このような微妙な仕草はリモート会議の画面では捉えることができません。

リモートでは、このような「言葉にしないもの」が伝わりにくくなります。

リアルならば個人的に話しかけたいときには視線を送っていると気づいてもらえますが、

リモート会議で話しかけたい特定の個人を見つめても、その思いは残念ながら届きません。

一方で、それだけ情報量が抑えられるため、話の内容に集中しやすい面もあります。

相手の仕草や服装などの雑多な情報が抑制されて、言葉だけに集中できるのです。

初対面の方とリモートで個人面談をすることがありますが、意外に緊張せずに

最初から話すことに集中してもらえて、良い方法なのかも、と感じることがあります。

相手の仕草などが気になるタイプの方には、実はリモートの方が心地よかったりします。

リモートの特長を活かしたコミュニケーションについては、次回のブログでお伝えします。

(柴村 馨)