普通の事務職だと思っていたのですが…
弊社が提供している組織力強化プログラム”職場いきいきプロジェクト!”に
途中から、加わった方がいました。
通常は初期メンバーを決めて、そのメンバーで1年間プロジェクトをやり抜くのですが、
この方は中途採用で入社され、一通り業務を覚えたところで、
年度の途中から、参加されるようになりました。
この方は、事務系の管理業務を担当しており、
自分の担当しているスタッフに不具合やミス、エラーがあると
サポートしたり、フォローに入ったりすることも業務のうちでした。

弊社のサービスに、事故惹起者や新人の面談をするというオプション業務があります。
事故発生者への対策面談のときにも、この方は同席するようになりました。
最初は、自分の担当スタッフが事故発生したときだけに立ち会っていました。
その頃は、「何か気づいたことがある?」と訊くと、発言するという状態でしたが、
ほどなくして、すべての事故発生時の面談に立ち会うようになりました。
事故発生状況をヒアリングしたり、現状把握してから対策を立てたりするときの
この方の視点の持ち方、仮説の立て方が鋭く、その視点からの質問は上質で、
発生した本人も、担当管理者も、チームリーダーも、そして私も、
「なるほど、そこは気づかなかった。それは、実際どうなんだろう」と、
現状把握の深掘りになり、対策のバリエーションを考える際にも、
一役買っている状況になってきています。

加わってきたときは、一事務系担当者だと思っていたのですが、
人の行動や環境要因に興味を持ち、自分で考え、自分で調べるようになったのです。
そして、人の行動に根ざす心理面にも興味を広げて、考えて、
過去の事例や事案を調べるようになり、自分で調べて納得がいかないときは、
私に電話して確認してきて、納得いくまで質問してきます。
対策面談のさなかでも、適性診断結果について私が言及しないときは、
その意義などについて確認質問をしてきて、より事案を深掘りして
今後の安全行動に繋げられないか、と考えてくれています。

このようなキラリと光る、いきいきとした言動を見ていると、
職場での多くの業務の中で、自分の得意を見つけるには、
発言の機会があったときに自分の考えを発言できることが大切で、
その発言ができる環境づくりが、職場内には重要だと思います。

(森川美希)