社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.6》

常識と決め込まないのが常識に

コミュニケーションにおけるボタンの掛け違いの原因の一つに「常識のずれ」があります。

「このくらい常識だから言わなくてもわかると思っていた」

「常識だって言われたけれど、あれを常識だと思っているのはあの上司だけ」

常識を前提に置いたコミュニケーションでは、

その「常識部分」が暗黙の了解事項として明言されないために、

その前提がズレると受け取る内容も、当然ズレたものになります。

さらに、常識を「持っている側」が先輩・上司とは限りません。

インターネット環境の急速な変化の中、

ネットワークセキュリティの常識に明るいのは、実は若手社員の方かもしれません。

もしくは、世代に関係なく、自分の中の常識を更新しようとする人かどうかによって、

常識があると言えるかどうかは変わるとも言えそうです。

例えば、連絡手段として、電話、FAX,メール、SNS,情報共有ツール等数多くのものがあります。

そのうちのどれを選択するのが「常識」なのでしょうか。

ほとんどの方が時と場合によって使い分けていると思いますが、

その「使い分け方」に「常識のズレ」が入り込むことがあります。

当日朝になってからの欠勤連絡はどうでしょう?

直接電話するのが常識でしょうか?

それとも、忙しい朝に電話で邪魔しないようにメールやSNS等で連絡するのが常識でしょうか?

多くの場合、それぞれが信じている「常識」には理由があります。

確実に相手にメッセージが届いて了解されていることが確認できるから。

相手の時間に割り込まず、都合の良いタイミングで確認してもらえるから。

連絡内容が文字として残り、後からでも確認できるから。

大切なのは、どちらの常識が正しいか、ではなく、

「常識として何を共有するか」を確認しておくことです。

自分の思う常識が他者にとっても常識だと決め込まず、

互いに確認することこそが「常識」として必要な姿勢なのですね。

(柴村 馨)