人材育成のコツは、指導と支援の使い分け
自部署スタッフを育成するときのコミュニケーション、
皆様どのように取り組んでいらっしゃるでしょうか。
弊社で提供している職場いきいきプロジェクト(以下、いきプロ)ミーティングで
話題にあがるキーワードで「なぜ、やらないんだろう?」というのがあります。
「こんなに教えているのに、どうしてやらないんでしょうね?」と、
管理職の皆様がため息まじりで話すこともしばしばあります。
コミュニケーションはどんな感じですかと聞くと「よく話しますよ」という反応が多いものです。
人材育成に結び付けるコミュニケーションを考えると、
弊社では管理職からの関わり方を「指導」と「支援」の2つに分けて取り組むことを提案しています。
教えているのに行動しないときは、こちらが伝えたつもりでも伝わっていないことがあります。
伝わっていないと「知らない、理解していない」状態のままですから行動に移りません。
一度、教えたくらいでは浸透しないことも多々あります。
そのときは指導をメインとし、
根気よく伝え方を変えて「知っている、理解している」状態まで持っていきます。
座学で理論、体験実技、OJTなど、伝え方は幾通りかあります。
指導のときは一呼吸おいて、こちらが平常心を保ちます。
して欲しい行動について場面や状況を具体的に話し、事柄に焦点をあてて伝えます。
大切なのはスタッフの人となりには触れず、
行動について教えてゆき、最後に伝わったか確認します。
「分かった?」と訊くと「分かりました」と反射的に答えることもありますので、
「出来る?」と問いかけます。
すると「出来るかな」とスタッフは教わったことを振り返りますから
曖昧な部分への質問が出て、理解を更に促すことができます。
まとめると下記のようになります。
●指導のポイント
「知らない、理解していない」ことを指導する
- 指導する前に一呼吸おく
- 指導が必要な具体的な「行動」や「事柄」に焦点をあてる
- その人となりについては触れない
- 指導が部下にどう伝わったか確認 「分かった?」より、「出来る?」と問う
そして、教えたことを理解していて行動しているのに、
しないことがあるなど「出来ない」状態がある場合は、支援します。
やった方が良いと分かっているし、すべきと思っていても行動しないことには理由があります。
不安や心配があり自信がなくて行動できないパターンと、
行動しない方が早くて楽で一見スムーズなパターンがあると思います。
ここで大切なことはスタッフ本人と対話をするために、アポイントを取って時間を確保し、
ゆっくり話せる場所を設定して相談にのることです。
スタッフの気持ちを理解するために話を聴くことから始めます。
すると自信がないのか、真の理解がないまま手順省きになっているのかが見えてきます。
自信がない場合は実技練習やOJTで再教育をすれば良いですし、
理解せず手順を省いている場合は座学などで理解を深めて行動の意味を知ることが大切です。
すると行動を後押しすることができます。
まとめると下記の通りとなります。
●支援のポイント
「知っている、解っているが、出来ない」ことを支援する
- 時間と場所に配慮して、支援する・相談にのる
- 相手の気持ちを理解しようと、話を聴くことから始める
- その人の課題が自信の無さなら実技練習、理解不足なら座学教育で行動を後押しする
このように人材育成していくうえで、伝えるこちら側のスタンスを整理して関わると、
更に効果的にお互いにスムーズに伝わっていきます。
結局、人です。
相手の状況を把握し、愛をもって伝わるように伝えることが大切です。
(森川美希)