社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.35》

「忙しい」が口癖になっていませんか?

久しぶりに顔を合わせた同期と、「どう?忙しい?」「うん、忙しいね」といった

会話を交わす、このようなシーンは日常的にありますね。

と同時に、「忙しい」と口にしたものの、そこまで忙しいわけでもないな、と

思い直したりすることも少なくありません。

そんなときは、「忙しい」が口癖になっているだけかもしれません。

「忙しい」の基準は人によっても異なります。

「その人の通常だと想定している処理量(公私を含めての)」を

「現在、日々こなしている処理量」が超えてくると、「忙しい」と感じます。

この「通常だと想定している処理量」は人それぞれに異なります。

動き回っているのが当たり前、という人にとっては、他者から見て「忙しく動き

回っている」と思われる状態でも、特に忙しいとは感じていなかったりします。

それでも、繁忙期や非常時はこの「通常」を超えるため、「忙しい」という

言葉が出てくるのです。

一方で、比較的ゆっくりしたペースで仕事をするのに慣れている人の場合、

他者から見て「これくらいは通常の範囲内」と思われる状態でも、

本人にとっては「忙しい」と感じていることがあります。

「通常だと想定する処理量」は、処理能力や想定力によって決まります。

処理能力は習熟によって、想定力は経験値によって向上します。

人手の過不足や仕事量の増減、ライフステージの変化に伴う環境の変化等、

様々なことが要因となって、日々の、そして個々の処理量は変化します。

自分や周囲のスケジュールを把握し、想定外を減らしていくことで、

「忙しい」を口にする機会を減らせると、メンタルヘルスにも良さそうですね。

さらに、職場全体の「忙しい」を軽減するためには、職場全体での

「通常だと想定する処理量」を増やすことが1つの対策になります。

メンバーの処理能力向上のための「教え合う」習慣と

メンバーの想定力向上のための「経験値共有」の機会としての雑談が、

大切な役割を持っているのです。

「忙しい」を口にしなくて済むために、自分ができそうなことを、

日々のコミュニケーションの中で実践してみませんか?

(柴村 馨)