運転適性検査/適性診断の結果を集計して組織の現状把握のヒントにしよう

運転する職員全員で定期的に運転適性検査(適性診断と呼ぶこともあります)を

受検されている事業所も最近では多くなってきたと思います。

特に、緑ナンバーと言われる運輸事業者では、

2、3年に1度、定期的に受検しています。

白ナンバーの事業所も定期的に取り組まれているところもあると思います。

定期的に多数の職員で受検している場合、結果を集計すると会社の傾向を見ることができます。

部署別、支店別、通勤使用者と業務使用者別など、

さまざまな運転場面や業務場面による会社の傾向を把握することで、

集合教育の計画に活かすことができます。

もう15年も前のことです。

運転適性検査メーカーに勤務していた頃、

とある白ナンバーの事業所で全事業所の運転者全員で一斉に受検に取り組んだことがありました。

そのときに見えてきた傾向は、ある営業所の「健康度」の項目が目立って低評価だったことです。

当時の本部の安全担当者は

「この営業所は、ちょっと残業と休日出勤が目立っていると思っていました。

注意喚起しておきます」と言われました。

運転適性検査/適性診断の結果項目は、メーカーによって若干の相違があります。

上記の結果には「健康度」項目がありましたが、

多くの検査結果は、技能面もしくは心理面が主な項目となっています。

集計の結果から低評価項目を元に、

実技なのか、座学なのか、社内の安全集合教育の計画を立てると

職員全体の安全水準の底上げができます。

そして高評価項目を集合教育の際にフィードバックすることで、

安全意識があがり、更なる安全行動へと繋げることができます。

運転適性検査/適性診断の結果は、紙ベースの場合が多く見られますが、

ひと手間かけて、事業所全体の安全傾向の現状把握をしてみると、

想像以上に見えることがたくさんあります。

木を見て森を見ず、と言いますが、木も見て森も見るために

個別指導に活かせる結果を集合教育にも活かしていただきたいものです。

(森川美希)