「社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.19》」
情動感染-機嫌の良し悪しは感染する?
「同じ職場なのだけれど、この人がいるとなんだかほっとする」
「あの人がいると職場全体がピリピリした雰囲気になる」
皆さんの職場では、こんなことありませんか?
気持ちのよい態度で、心地のよいやり取りをする人がいると、
職場全体にも穏やかな明るさが満ちてくることがあります。
反対に、不機嫌さがダダ漏れしている人がいると、
職場全体にその不機嫌さが拡がったかのように、嫌な雰囲気になることも。
これは、心理学で「情動感染」と呼ばれているもので、
「個人の感情が周囲にも伝わること」を意味します。
ポジティブな(肯定的な・明るい)感情が伝われば、職場全体の雰囲気も
明るく心地よいものになります。
気持ちよく振る舞う人が職場にいてくれると安心感につながるのは、
その人の明るさや穏やかさが周囲にも伝わるからなのです。
では、気持ちのよい人と不機嫌な人がどちらも同時に存在している場合、
その職場の雰囲気はどうなるでしょうか?
残念なことに、不機嫌な人に影響を受ける可能性が高いのです。
やっかいなのはネガティブな(否定的な・嫌な)感情の感染力の方が
ポジティブな感情の感染力より強く、早く伝わる、ということです。
「ネガティブな感情」は、社会生活における一種の危険信号ですから、
より伝わりやすいわけです。
だからこそ、「自分の機嫌は自分でとる。不機嫌さをダダ漏れさせない」ことが
社会人に求められるのです。
特に、「感染源」が上司である場合、その感染力はさらに強くなります。
上司の立場の方々は特に、そしてもちろん、職場にいる全ての人が、
少なくとも機嫌が悪くはない、できればポジティブな気持ちのよい態度で
職場に居ることが職場環境を良い状態に保つことにつながります。
そして、もしも「不機嫌さダダ漏れの人」が居る場合、
「それでも気持ちよく振る舞う人」を増やして、その不機嫌な人にも
ポジティブな感情の情動感染をさせられたら、理想的ですね。
少なくとも、不機嫌さの感染を弱めることにも役立ちますので、
気持ちのよいやり取り、不機嫌ではないことが伝わる居方(態度・表情・声)、
そして「ありがとう」の伝え合いで職場環境を守りましょう!
(柴村 馨)