相手の話を予測して聞いてはいませんか?
弊社の提供する“職場いきいきプロジェクト”ミーティングで、
多くの管理職の方々を観察していると、会話を予測して聞いている様子が伺えます。
特に、よく知っている部下や同僚の話の場合はなおさらです。
表情や相槌に「また、その話か」「分かっている」という空気感が見えてきます。
これはすなわち、相手の話を聞いているように見えて聞けていない状態です。
自分の頭の中だけで話が進行し、
いつの間にか、いつもの自分の思い通りの「話の着地」へと無意識のうちに誘導してしまいます。
そのやり方が自分にとって都合が良いし、慣れた考え方で処理しやすいからだと思います。
このように自分の聞きたいように話を聞いていては、
どんな話にも、新たな発見や展開を見出しにくいと思います。
いま、目の前で話しているひとは、どんな事柄を、
どのように考えて、どこに「話の着地」をするのか。
今まで聞いていた話とは、似て非なる内容かもしれない。
私は日々、そう思ってお話を聴くように意識してます。
そうすることで、
「そう来たか」「それもあるよね」「そこだったのか」と、発見できることが増えています。
「よくある話」「似たような事例」でもシチュエーションが違います。
特に、登場人物はまったく違うので、いつもと同じ話だと思って聞くのは危険です。
本当に自発的に動く組織を作りたいなら、
自分の考えに固執していつも通りの着地へ安易に誘導しないことが大切です。
その話題に参加している人、関係している人、すべての意見を1つずつ吸い上げ、
同じテーブルにのせて、全員で合意へ向かうよう対話をしてみるのです。
全員が合意するわけが無いので、どこに落としどころを見つけ、
どのように目的に向かうことがこの組織にとって最適なのかを関係者全員が考え、
取り組んで実行していきます。
意識的にも無意識でも、ひとを誘導して自分の考えを通して、
やらせようとすることをやめてみませんか?
ひとの考えをフラットに聞き、そのうえで自分の考えを提案してみると、
見過ごしてきた当たり前のことの中に新たな発見が生まれます。
参加していたスタッフから、ミーティングのあとに、
「何年も前から言っていることが、やっと取り上げられました」と言われることもあります。
関係者全員で対話し、
みんなで一緒に目的に向かって実行していくことが組織の目標達成を後押しします。
※この記事は、2018.6.12に掲載したブログを元に加筆して再掲しています
(森川美希)