ズバリ教えてください、うちに足りないものは何ですか?

先日、数年来のお取引先の経営幹部の方と数カ月ぶりに打ち合わせをしたときのことです。

着席した途端に「ズバリ、うちに足りないものは何ですか」との問いに私は少々驚きました。

普段このような話題の切り出し方をしない方なので、何かしらのお考えがあると思い、

丁寧に私の考察を伝えました。

ズバリ、1つ挙げるとしたら、『聞く力』です。

今は残念ながら、困った状況であっても部下やスタッフの話を聞いてみようとはしない。

本部や上層部の考え、私どものような外部の考えや知見を聞いてみることを

思いつかないのか、敷居が高いのか、アクションしない。

まず聞く力が足りないと感じます。

ズバリ聞いてみたら、部下も上司も本部も外部も、様々なアドバイスやヒントを持っています。

このようにお話すると確かに、と手帳にメモを書き取られました。

私の考えでは「足りない」と感じるときは

「行動が足りない」もしくは「行動していない」ときに不足を感じると思います。

そして、行動しようとすると「現状把握」は必須となります。

現状把握は、データを見る、周辺情報を調べる、そしてヒアリングをするとなります。

このヒアリングが無い、もしくはポイントがずれているなどすると、行動へ結びつかないのです。

調べた結果に納得感や現実との裏付けが無いと、一歩が出にくいものです。

「聞く力」は、聞きたいことだけを聞くのではなく、聞こうとすることに関する情報を

一旦、すべて聞いてみることが大切です。

こちらが話を聞こうとしている相手の方は「これも大切かも」と思って話してくれています。

そして、聞いている時には気づかなかった情報が、

実は大切なことだったということも事柄が進んでいく中で起きてくることもあります。

聞いた情報はメモを残し、取捨選択して使って行けば良いと思います。

こちらの会社だけではなく、

多くの管理職の方々が「足りない」「出来ない」「まだまだだ」と仰ることが多いと感じます。

しかしながら、3年前、5年前と比べると明らかに進んでいるし、出来ていることが多いのです。

そこにもフォーカスしてバランスよく“現状把握”できると良いと思います。

(森川美希)