「落ちたポテトはすぐに拾え」のたった一言で日本一を達成したマネジメントの裏話③

「私の店舗の床は日本一綺麗だと自信をもって言えます。

ポテトが落ちてないからです。それが日本一の秘訣だと思います。」

前職のマクドナルドで新店オープンから一年で業績日本一を達成し、

アジアオセアニア地域の最優秀アワードを受賞した時のこと。

シンガポールで開かれた表彰式で「日本一達成の秘訣はなんですか?」

そのインタビューに対して、僕はこう答えた。

「ドミノ倒し型マネジメント」

「ただ落ちたポテトを拾う?」

「本当にそれだけですか?」

冒頭のインタビューでもそう驚かれた。

それだけ。

本当にそれだけなのだ。

それを2ヶ月徹底してやりきった。

そこから予想通りの「ドミノ倒し」が起こった。

スタッフ全員に床に物を落とさない意識が根付いた。

丁寧に作るから商品のクオリティが上がった。

クレームが大幅に減った。

袋詰めを丁寧にするからミスをしなくなった。

結果サービスのスピードが圧倒的に速くなった。

キッチンの床と客席が綺麗だから他の場所も汚れない。

店がピカピカで綺麗になった。

働く姿勢や在り方が磨かれておもてなし力があがった。

全員がやってるから新しく入店するスタッフもそれを当たり前にやる。ここまで来れば一つの立派な文化だなと感じた。

そんな連鎖が次々と起こり、

顧客満足度が上がり売上はグングン伸びた。

そしてここはとても重要視したポイントだが、

みんなが取り組んでいることが業績にどう反映しているか?を

徹底的に見える化した。

数値的な変化やお客様の声にどのように反映しているのか?

そこが見えないとただの自己満足になってしまうから。

ドミノ倒し型マネジメントとは、

あらゆる問題を一つ、一つ倒していくのではなく、

問題を一列に並べて、

たった一つの最優先事項に集中することで

一気に倒すという概念。

私がこれまで試行錯誤してきた中で最も成果に繋がるマネジメントシステムだ。

「圧倒的な成果が帰属意識を高める」

さらに高いパフォーマンスの店舗で働くスタッフの帰属意識は高まっていった。

海外の偉い人達が日本一の業績を達成した店舗を見に来日された。

言い忘れたが、

この日本一を達成した店舗は滋賀県の田舎にある店舗。

3300店舗ある中でも注目度の低い地域だった。

そんな中、海外から次々とVIPが来店される。

俺たちは日本一の店で働いてるんだ!

さらにチームの意識が上がっていった。

ある日、ある店舗責任者から

「店長!今日はポテトを落とさないでくださいね。

 最近、店長が一番落としてますから!」

そう言ってくるようになった。

僕はニヤッと苦笑いをしながら、よし!もうこれで大丈夫だ!

そう確信した。

そして自分が店舗にいなくても日本一の店舗運営が可能になったのです。

やはり高いパフォーマンスの成果を出すことで

スタッフの意識レベルや帰属意識が高まり、

さらに高基準の文化を醸成できる。

これは間違いない事実だ。

次回、

「人間関係トラブルは仕事に集中することで改善する」

お楽しみに!

(宮城啓介)