「落ちたポテトはすぐに拾え」のたった一言で日本一を達成したマネジメントの裏話②

「私の店舗の床は日本一綺麗だと自信をもって言えます。

ポテトが落ちてないからです。それが日本一の秘訣だと思います。」

前職のマクドナルドで新店オープンから一年で業績日本一を達成し、

アジアオセアニア地域の最優秀アワードを受賞した時のこと。

シンガポールで開かれた表彰式で「日本一達成の秘訣はなんですか?」

そのインタビューに対して、僕はこう答えた。

「落ちたポテトはすぐに拾え」

スタッフ教育の秘訣は、

誰にでも出来ることを、誰にでも分かるように

シンプルなメッセージで伝えること。

もちろん業績目標との関連性がなくてはならない。

あれもこれも求めるのではなく、その時最も重要なこと、

なおかつ、これだ!

というシンプルで強いメッセージであればあるほど良い。


「店長、これだけですか?もっと他にないんですか?」

「おい!宮城!もっと戦略を具現化しろ!」

「宮城さん、ポテト拾うって簡単すぎて、これが目標でいいんですか?」

まあ、予想通り、こんな風に色々な反応がありました。

「凡事徹底に勝るものなし」

落ちたポテトはすぐに拾う。

これなら全スタッフが今日から今すぐ実践できる。

簡単だからいいのだ。

なぜ皆んなそんなに問題を難しく、

ややこしくしたがるのか。

多くの人が今までやったことがない斬新なアクションプランを立てたら

目標達成率が高くなるという大きな勘違いをしているのだ。

最初は皆んなスキルが低いから、

何をしてもポテトが落ちる、落ちる。

ずっと店舗に立ってそれを見ていて、

「これだ!」とインスピレーションが降りてきた。

落ちたポテトはすぐに拾う。

とにかく床を綺麗に保つんだ。

僕は新店スタッフにその重要性を伝え続けた。

特に店舗責任者には高いレベルを求めた。

自分が店頭に立てば有言実行で誰よりも実践した。

キッチンも客席もいつでもまず床の状態からチェック。

OKならばその基準の高さを称賛した。

NGなら解決策を一緒に考えた。

最初にこれを話した時、

多くの人が「ポテトを拾うなんて簡単だ」って言ったけど、

これを徹底的にやり抜いてる店舗はどこにもない。

これは間違いなく大きな成果につながっていく。

そんな確信があった。

シンプルに凡事徹底に勝るものはない。

次回、

「ドミノ倒し型マネジメント」

「圧倒的な成果が帰属意識を高める」

お楽しみに!

(宮城啓介)