社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.75
親しみを込めてなら、大丈夫?
11月に入り、昼夜の寒暖差や地域での寒暖差が大きくなる日が増えています。季節の変わり目にあたるこの時期は、体温調節で身体も疲れやすくなります。知らず知らずにうちに疲れがたまりやすかったり、心臓や血管に負担がかかりやすくなったりしますので、健康管理には十分な注意が必要ですね。
さて、2025年10月23日に、「職場で『ちゃん付け』で名前を呼ばれたのはセクハラであるとして慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地方裁判所で『許容されるハラスメントを超えた違法なハラスメント』と認定され、22万円の支払いが命じられた」というニュースがあったことをご存じの方も多いかと思います。
皆さんの職場では、お互いをどのように呼び合っていますか?

- 上司や年上の職員は部下や年下の職員を呼び捨てで呼んでいる
- 親しみを込めて、女性の職員は「〇〇ちゃん」と呼んでいる
- 性別や職位に関係なく「〇〇さん」もしくは、職位者は「〇〇部長」など職位で呼んでいる
他にも様々なバリエーションがあるかと思いますが、今回の判決では、Bの「〇〇ちゃん」という呼び方がセクハラと認定されたことになります。
親しみを込めて、あるいは相手をリラックスさせようと配慮するつもりで、自分も「〇〇ちゃん」と呼んでいる、という方も少なくないのではないでしょうか。今回の判決理由では、ちゃん付けは幼い子どもに向けたもので、業務で用いる必要はないとして、男性側が親しみを込めた表現として用いていたとしても不快感を与えたと指摘しています。また、他にも「かわいい」「体形が良いよね」といった発言もしており、羞恥心を与える不適切な行為だったという指摘もされています。

厚生労働省の「職場でのハラスメントの防止に向けて」という資料によれば、「女性だからという理由で『〇〇ちゃん』と呼びかけるというのは、会社で共に仕事をする人として尊重していない意識が背景にあることがあります。そのような意識はセクハラにつながることがあります。また、自分では親しみを込めたつもりであっても、呼ばれた方は不快に感じていることもありますので注意しましょう」と書かれています。
「会社で共に仕事をする人として尊重する」という意識・姿勢が伝わる呼び方になっているかどうか、これが職場での適切な呼び方になっているかどうかの判断基準になりそうです。相手から同じ呼び方をされても不快にならないかを考えてみると、感覚的にも分かりやすいと思います。職位での呼び方(〇〇部長など)は別として、相手からはそう呼ばれたくないと感じる呼び方は、相手への尊重が欠けていると受けとめられる可能性が高いと言えそうです。
上記のA,B,Cでいえば、Cの呼び方が「職場での適切な呼び方」として安心できる呼び方になるでしょう。この機会に、「職場での互いの呼び方」を確認してみましょう。
参考資料:厚生労働省 石川労働局故郷環境・均等室「職場でのハラスメントの防止に向けて」

(柴村馨)

