社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.67》
引き継ぎシーズン到来!
新年度に向けて、社内でも人事異動の時期ではないでしょうか。
配属自体が同じでも、役職が変わったり、社内委員会のメンバーが変わったりと
大きな変化点になる時期です。

メンバー構成の変化が生じるときには、「引き継ぎ」がもれなく付いてきます。
例として、委員会活動について考えてみましょう。
各部署から委員会メンバーを選出して、部署代表として委員会活動に参加する場合、
どのようなことを引き継ぐ必要があるでしょうか。
1.委員会の役割と権限(社内での位置づけ)
2.これまでの取り組み成果
3.現在進行形の取り組み
少なくとも、上記のような内容は次期メンバーに理解してもらう必要があります。
どのような伝え方で、この引き継ぎが行われるかによって、次期メンバーの
委員会への参加のしやすさやモチベーションが変わってきます。
「1.委員会の役割と権限」に関しては、そもそも何のために貴重な時間を割いて
各部署からメンバーが集まっているのかが分かるような引き継ぎが必要です。
何をしたらよいのかの理解があいまいなままでは、モチベーションも上がりません。
「2.これまでの取り組み成果」は、その委員会活動がどのように会社や社員にとって
役立っているのかを理解することに欠かせません。その委員会の活動によって、
これまでに何がどのように変化したのか、具体的に説明することが大切です。
「3.現在進行形の取り組み」は、年度をまたいだ取り組みや、未着手の取り組みです。
ここがしっかりと引き継がれていないと、年度の切り替わりと同時に、委員会活動の
停滞が生じます。と同時に、それが次期メンバーの苦労の種にもなりかねません。

また、引継ぎ内容以上に大切なのが、「委員会活動」について肯定的に伝えることです。
・開始時間も終了時間も明確で、集中して取り組みが進められる
・他部署のメンバーと協働することで、人間関係が拡がる
・活動意義が感じられる、活発な意見交換の場になっている
委員会に参加するにあたっての不安感や負担感より、安心感や期待感が伝わることが
引き継ぎの成否を分けます。
もちろん、これらが伝わるためには、日頃から部署内に委員会からの伝達を
行う際に、前向きさや楽しさ、関心を持てる内容を伝えていることが大切です。
文書を読めばわかるような伝達ではなく、熱を帯びた伝達にしていること、
そうすれば、自然と委員会の活動内容にも関心を持って知っていてもらえます。

自分自身が委員会活動を楽しむことが、次期のメンバーの心理的負担を
軽くすることにもつながるのですね。
「どうせやるなら、楽しんで取り組む!」―これが引き継ぐ側・引き継ぎを受ける側、
双方を楽にするポイントだと言えそうです。

(柴村馨)