安全運転アドバイス70 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.155》

 緑 一郎のページへようこそ!

 このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
 
 ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。

 第155回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「安全運転アドバイス70」』です。
 第154回の「安全運転アドバイス69」では、
『「75歳以上の運転免許証
更新手続き」等を知っておこう。』について、呟きました。
 第155回の「安全運転アドバイス70」では、「高齢運転者について考えてみよう」
について呟きます。

◎ 「高齢運転者について考えてみよう」

 1 高齢者の人口等(内閣府統計)

   日本の人口は、平成20年の総人口、128,084,000人をピークに、
  減少傾向です。一方、高齢者人口(65歳以上人口、推計を含む)は、

      令和 元年 3,589万人
      令和 7年 3,677万人(推計)
      令和24年 3,935万人(推計)

  と増加が予測されています。

   これは、若い働き手が減り、高齢者が増えるということです。
   これからは、必要な働き手を、高齢者にも大きく頼る社会になることでしょう。
   また、高齢者を雇用する企業等においては、高齢者の管理等をどのように進めるか、
  しっかりと考えていかなければならないと思います。

 2 最近の全死亡事故発生件数に占める高齢運転者の状況

令和元年令和2年令和3年令和4年令和5年
全発生件数2,7802,4082,2892,2672,348
65歳以上827714701739767
29.729.730.632.632.7

 
  最近の交通死亡事故発生件数は、概ね減少傾向で推移していますが、
 その中で、65歳以上の高齢運転者の死亡事故発生件数は、増加傾向にあります。
  また、全死亡事故に占める高齢運転者の割合も、増加傾向で推移しており、高齢運転者による
 死亡事故を、減少傾向に導くことが、差し迫った課題となっています。

 3 高齢運転者の雇用

   一例ですが、今年4月以降、タクシー会社の運転者不足解消等のため、
  「日本版ライドシェア」の動きが、活発になっているようです。
   この様な情勢から、二種免許を持っている高齢運転者も、多く活躍されていること
  でしょう。
   タクシーに限らず、介護送迎、幼稚園・養護施設のバス・・・等が、朝夕と住宅街を
  走っています。

   これらの運転者には、高齢者の方が相当数雇用されていると思います。
   まず大事なのは、健康管理でしょう。各企業では、定期健康診断を実施していると
  思いますが、これで二次検査や精密検査の判定が出た方には、できるだけ早く受検させて、
   受検結果を必ず確認していただきたいと思います。
   異常があれば、早期発見、早期治療です。二次検査を軽く考え、放置していて、
  大変になった事例は、たくさんあります。

 4 高齢運転者の特徴(プライド)

  ・ 高齢運転者は、運転に関してプライドを持っています。
  ・ これまで、数十年間運転してきて、事故・違反で検挙された事はない。
  ・ 身体は健康で、風をひいた事もない。
  ・ 「運転技能検査」は、一発で合格した。
  ・ 「認知機能検査」も、一発で合格した。
  ・ 運転免許証の更新は、何も問題なく行えた。

   等のプライドが、高齢運転者の心を支えています。
   このプライドを尊重してあげてください。
   そのうえで、老化による身体機能の低下について、指導していただきたいと思います。

 5 高齢運転者の特性

   高齢運転者は、運転免許証の更新はできても、自分の体は確実に老化していることを、
  自覚しなければなりません。具体的には、

  ・ 視力の低下

   高齢になると、加齢により視力が低下してきます。
   運転者にとって、視力の低下は致命的です。
   特に、白内障や緑内障は、気付かないうちに進行します。
   視力の低下は、認知機能や判断能力が遅れる原因となります。
   夜間走行していて、対向車のライトが最近とても眩しくなったと感じたら
  専門医に行って、検査してもらいましょう。また、検査に行くよう指導してください。

   遠方が見えづらいと、そればかり気になって、近くの安全確認がおろそかに
  なっては困ります。例えば、一時停止場所では、停止線手前で確実に停止し、
  首を左右に振って安全確認をしましょう。
   その位置で、左右がよく見えないときは、芋虫のように少しずつ前に出て、
  左右の確認をするのが基本です。

  ・ 身体機能の変化

   高齢になると、若い時のように速く駆け足したり、長時間の駆け足が難しくなります。
   高齢になることが、このように身体機能が変化することを素直に認めて、
  十分余裕のある車間距離を取り、無理のない走行速度で走ることに努めましょう。

   また、車での移動ばかりしていて、歩くことがほとんどない方は、歩くこと
  身体を動かすことを意識して行動しましょう。
   コーヒーやタバコ等を買いに行くとき、コンビニが近くても車で行く方は、あえて歩く、
  毎日ラジオ体操をする等で、日頃使わない筋肉を動かしましょう。
   これを続けることで、筋肉の老化に対処しましょう。

<参考文献>
【警察庁 交通死亡事故の統計資料】

それでは、第155回はこのへんで、次回をお楽しみに!  (緑 一郎)