社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.60》

「やりやすさ」を最優先にしてみる

先日、いわゆる「異業種交流会」に参加してきました。

交流会ですので、できるだけ多くの参加者と名刺交換をして、人脈を広げることを

目的として参加します。

さて、皆さんにとって初見の方々との名刺交換のハードルの高さはどのくらいでしょう?

仕事の一環と思えば、ハードルなど無いものとできる、という人もいます。

初対面で緊張するので、なかなかの高いハードルに感じる方もいるでしょう。

知り合いになりたいターゲットを絞って、その方々との名刺交換ができればOKな人も。

これには相手の方の情報がある程度必要です。有名・高名な方々の場合ですね。

研修等ではコミュニケーションを得意分野として活動している私ですが、

実をいうと、少し人見知りなところがあります。

そのため、名刺交換会などは苦手な方で、どなたに話しかけたらよいか迷います。

「お手すきな方に話しかけてみようか…でも、私と話す時間が相手にとっては無駄かも」

この戸惑いは、「相手のことを知らないままに知り合いに行く」ことから生じます。

さらに、「相手にとって有益な人脈となれるかどうかの不明瞭さ」も加わります。

研修会などに参加した際に、初見の方々と話すことは楽しみなのですが、

「異業種交流会」の場合は「人脈づくり」という目的があるため、

つい、「自分は相手にとって有益な人脈になるか」が気になってしまいます。

そんな私ですが、今回の交流会での名刺交換はとてもやりやすかったのです。

主催者サイドから「名刺は100枚程度お持ちください」と事前にアナウンスがあり、

「そんなに交換できる気はしないけれど…」と思いつつ、持参しました。

会場で小さなビニール袋を渡され、その袋と名刺だけを持って全員が輪になります。

「まずは全員名刺交換会!」という言葉で、明るいBGMが流れる中、

輪の中の一人を起点に、隣の人の前に立って名刺交換、済んだらその横の人、と

途切れなく名刺交換を繰り返していきます。

自分の隣の人が名刺交換の移動を始めたら、自分も移動する側に回ります。

最初に「もらった名刺はビニール袋にどんどん入れましょう!」と説明があり、

名刺入れがパンパンになることもなく、落としてあたふたすることもなく、

スムーズに全員との名刺交換が終了しました。

たくさんの名刺を使いますし、全てが人脈につながるとは限りませんが、

とりあえず、「できるだけ多くの人と名刺交換する」という目的を達成しているため、

その後のフリータイムでは、落ち着いて、関心のある方に声をかけて過ごすことが

できました。

「どんな人でもやりやすい」方法をとっていただいたことで、安心感が生まれ、

楽しく、集中できる交流会になったと感じました。

これは、日常の仕事やコミュニケーションでも大切なことではないでしょうか。

「できる人にはできる」方法よりも、「誰にでもできる」方法にすること、

「やってみやすい」方法にしてみること、その大切さを再認識する機会となりました。

前回のブログの「電話メモ」もその一つですね。

日常業務の様々なこと、「やりやすさ」を最優先に見直してみませんか?

(柴村 馨)