社内コミュニケーションがうまくいく《ほっとひと息ヒント集 Vol.51》

「アサーション」でできること―その1!

「アサーション」という言葉を聞かれたことはありますか?

今回から3回に分けて、「アサーションでできること」を深掘りしてお伝えします。

「アサーション」「アサーション・トレーニング」といった言葉に耳なじみのある方、

すでに学校で学んだ、あるいは社内研修で知ったという方も多いかもしれません。

もう知っている方々も、再確認を兼ねてお付き合いいただければ幸いです。

「アサーションは自己主張の方法の1つ」と聞くと、知らない方にとっては、

「自分はこう思う!」と声高らかに発言したり、自分の意見をなんとかして通したり、

そんな様子が目に浮かぶかも知れません。

「自己主張」という言葉が、自分勝手、わがまま、我が強い、といったイメージと

強く結びついていた時代もあり、その頃はなんとなく敬遠する向きもありました。

あまり自己主張しない人と協調性を重んじる人、双方のイメージには重なりも感じます。

そんな点も、日本での自己主張敬遠に拍車をかけていたのかもしれません。

もちろん、「自己主張すること」と「自分勝手であること」は同じではありませんね。

同様に、「自己主張しないこと」と「協調性があること」も同じではありません。

自分勝手ではない自己主張ができていて、自己主張しつつ協調性もある、

アサーションができる人は、そんな素敵な自己主張の仕方もできる人です。

正確に言えば、「自分の感情や考えなどを抑え込みすぎず、適切に表現する

=アサーティブ」なコミュニケーション、それがアサーションです。

自分勝手に、相手の考えや思いも聞かずに意見を押し通す、のでもなく、

協調性を重視しすぎて、違う考えや思いを持っていても押し殺してしまう、のでもない。

自分の考えや思いを伝えたいかどうかも自分で決めて、その伝え方も自分で決めて、

その結果についても自分で引き受ける。それが、アサーティブな態度です。

このときに、「適切な表現」をしっかりと理解して、たくさん知っておくことが大切です。

相手が受け取りやすい柔らかな表現を使って、自分の考えや思いを受け取ってもらったり、

自分の思いを誤解なく受け取ってもらうために、あえてストレートな表現を用いたり、と

その時の状況や相手などの様々な条件によって、「適切に」選ぶ表現は異なります。

そのような「適切な表現」を選べるコミュニケーションを「アサーション」といいます。

今回は「アサーション」が本来持っている深い意味についてお伝えしました。

次回は、アサーションの「伝える程に受け取る」面を深掘りしましょう。

(柴村 馨)