安全運転アドバイス51 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.133》
緑 一郎のページへようこそ!

このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」と
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。
第133回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「安全運転アドバイス51」』です。
第132回の「2024年の明るい展望」では、「2024年の予想」について、
呟きました。
第133回の「安全運転アドバイス51」は、『「事故はこうして起きた」パート7』
について呟きます。
◎ 「事故はこうして起きた」パート7
〇 今日の天気は快晴です
今日は、春の日差しが降り注ぐ、気持ちの良い天気です。
Aさんは、トラックの運転手です。トラック運転手の仕事をして、
かれこれ15年程になります。
積荷は、何でも運びますが、建築関係資材の運搬が主要な業務です。
一方、Bさんはビルやマンション等の清掃をするため、ワンボックスカーで
走り回っています。
Bさんはスマートフォンを使ってゲームや、ユーチューブ等を見るのが趣味です。
〇 Aさんの走行位置
Aさんは、この日トラックで、ビル建設工事のための鉄筋を荷台に積んで運んでいました。
鉄筋は長くて重いのですが、途中で切断する訳にはいかず、後部の荷台からはみ出た状態で
積んで、先端には赤い布を付けていました。

Aさんの目的地は、進行方向の右手の方向にあります。
今走っている片側3車線の国道の、500メートル位先から右折の必要があるので、
第3車線に進路を変更して、60キロで走っていました。
〇 Bさんの走行位置
Bさんの次の仕事場所は、現在地から2~3キロ先ですが、第3車線が他の車線と
比べて空いていたので、第3車線をAさんの後ろに追随して、60キロで走っていました。
〇 異常発生
Aさんが第3車線を順調に走っていると、後部の荷台でガタガタと音がしました。
Aさんは、荷崩れが発生したと感じ、鉄筋が道路に散乱すると大惨事になると思って、
ハザードランプを点け、そのまま第3車線のその場に停止することにしました。
急ブレーキをかけると、追突や積荷が散乱し落下する恐れがあると考え、
普通にブレーキを掛けて、停止しました。
Aさんが停止して、シートベルトに手をかけたとき、後方でドーンという音と
衝撃がありました。
Aさんが、急いで降りてみると、Bさんのワンボックスカーが追突していました。
ワンボックスカーのそばに行ったAさんは、腰を抜かさんばかりに驚きました。
そこには、Aさんの荷台の荷崩れした鉄筋が、Bさんのワンボックスカーの
フロントガラスや前面ボディの鉄板を突き抜けて、車体に多数突き刺さっていたのです。
Bさんは、ほぼ即死状態でした。
Bさんが運転していたワンボックスカーのブレーキ痕等は、見当たりませんでした。
Aさんも、衝突直前にブレーキをかけた音等は、聞こえなかったと言っていました。

〇 この事故の振り返り
まず第一に、鉄筋は重量のある積載物です。運搬の途中で荷崩れ等起きないよう、
確実に固定しておく必要があります。
また、荷崩れかなと思ったら、後続車にミラーや目視で十分注意して、ハザードを点け、
ゆっくりブレーキをかけましょう。
さらに、場合によっては発炎筒の使用も考えておくと良いでしょう。
荷物が転落等したときは、安全に速やかな撤去等の措置が必要です。
Bさんは、前方不注視や車間距離不保持等が考えられます。
その原因として、運転中に脇見運転でスマートフォンの使用や注視があったかもしれません。
自分の前車が鉄骨や鉄板、コンクリート柱などの場合、特に赤布で注意喚起が
施されていれば尚更、「荷崩れの危険があるかもしれない」と予測して、
他の車線に移れるなら車線変更して後ろに付かない、もしくは車間距離を大幅に取って、
万が一荷が落ちても被害を受けないように予防したいものです。
下記の表で、脇見運転すると、車は1秒間に何メートル進むのか、知っておきましょう。
さらに運転中は、車間距離と進行方向の注視を怠らないようにしましょう。
※車が1秒間に走行する距離
走行時の時速 | 1秒間の走行距離 |
10km | 2.77m |
30km | 8.33m |
40km | 11.11m |
60km | 16.66m |
80km | 22.22m |
100km | 22.77m |

それでは、第133回はこのへんで、次回をお楽しみに! (緑 一郎)