安全運転アドバイス50 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.131》

・緑 一郎のページへようこそ!

 このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
 
 ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。

 第131回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「安全運転アドバイス50」』です。
 第130回の「安全運転アドバイス49」では、『「事故はこうして起きた」パート5』
について、呟きました。
 第131回の「安全運転アドバイス50」は、『「事故はこうして起きた」パート6』
ついて呟きます。

◎ 「事故はこうして起きた」パート6

〇 「駐車する時も安全確認の徹底を」

  ぽかぽかと暖かく、春のような日差しを感じる秋の日、A子さん一家は仲の良い
 B子さん一家と7人で、A子さんが運転するワンボックスカーで、C公園にお弁当を持って
 ピクニックに行くことにしました。

  C公園は天気が良いためか、多くの家族連れで賑わっていました。
  C公園は広くて、駐車場も広いのですが、この日舗装された駐車場は見たところ
 満車のようです。
  A子さんは、一緒に来たみんなを降ろして、一人で駐車場の奥の方に駐車場所を
 探しに行くことにしました。

  駐車場の奥の方には、舗装はされていませんが、数台が駐車しておりまだ車を
 置けるスペースが空いているのを発見しました。

〇 バックで駐車

  A子さんはバックで、一番手前の空いているスペースに駐車することにしました。
  空きスペースには、白線等による駐車位置標示等はありません。

  A子さんは、他の駐車車両と並行になるように、運転席右側の窓ガラスを開けて
 顔を出し、後方を見ながらゆっくりとバックを始めました。

  車は、毎日乗り慣れたマイカーです。定期点検も決められたとおりに行っており、
 故障等の異常はありません。
  駐車しようとしている場所の周辺には、樹木が植えられ草が生えており、その先の
 見通しはあまり良くありません。

  A子さんは、手慣れた運転でバックして行きます。
  その時、車の後方で急にガクンと音がして、車は急に後方へ下がり始めました。
  それと同時にA子さんは、首を絞められ苦しくて息ができない強烈な痛みを感じました。

  どうしたのでしょう。
  A子さんがバックした先は、背の高い雑草が生えており、そこから先はやや急な下り坂に
 なっていました。
  その為、車は下り坂を下り始め、そのすぐ横の樹木の枝がA子さんの首に引っかかり、
 首を車の窓枠に押し付けられる格好となり、A子さんは声を出して助けを呼ぶことも、
 首の枝を取ることも、車のギアを前進に入れて前に進むことも出来ず、車の重量で
 首が圧迫されて、だんだんと意識が遠くなっていきました。

  A子さん、B子さんの家族は、いつまでもA子さんが戻ってこないので、駐車場奥の
 空き地の方へ行ってみることにしました。
  そこで、木の枝と車の窓枠に挟まれているA子さんを発見したのです。

  A子さんは、119番通報により救急車で病院に搬送されましたが、病院では死亡が
 確認されました。
  楽しいはずのピクニックは、大変悲惨な結果を招いてしまいました。

〇 この事故の振り返り

  A子さんが死亡したこの事故は、A子さんが運悪く死亡していますが、
 これは「交通事故」と言うより、「事故」と呼ぶべき性質のものではないかと考えます。

  A子さんは、公園の来場者が多いので、やっと駐車できそうなスペースを見つけて、
 良い場所があった、早く駐車しようと急いでバックを始めたものと思われます。
  この時、車の後方には草が生えていて、その先が下り坂になっている状況が、
 よく分からないままバックしたため、車が急に下り始めて、この時、運悪く木の枝が
 首に引っかかり、これに車の重量がかかって、窒息という最悪の事態を招いたものです。

  どうすれば、良かったのでしょうか。
  今回のように、多くの駐車車両で混雑している時に、空きスペースを見つけた時は、
 ここはどうして空いているのかな、駐車するのに何か不都合なこと、危険なことが
 隠れていないかと、疑ってみることも必要かもしれません。

  初めての場所であれば、ちょっと車から降りて周りを見渡してみると、
 「ここから先には危険があるので、他の人は駐車してないのだな。」と、理由が
 分かることがよくあります。

  急いでいる時こそ、危険を見逃すことが多くあります。
  大丈夫かなと思ったら、確認を省略せず、一旦車を降りて安全を確認しましょう。
  安全確認は、1~2分でできるのですから。

それでは、第131回はこのへんで、次回をお楽しみに!   (緑 一郎)