安全運転アドバイス49 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.130》
緑 一郎のページへようこそ!

このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」と
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。
第130回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「安全運転アドバイス49」』です。
第129回の「安全運転アドバイス48」では、『「事故はこうして起きた」パート4』
について、呟きました。
第130回の「安全運転アドバイス49」は、『「事故はこうして起きた」パート5』に
ついて呟きます。
◎ 「事故はこうして起きた」パート5
〇 「忘年会のシーズン」
甲さん(56歳)は、公務員です。12月のボーナスが出ましたので、今日は久々に
係全員が集まっての忘年会です。
今日は、全員申し合わせで、公共交通機関で出勤しました。
甲さんは、いつも利用している路線バスで出勤しました。
飲酒運転は、本人だけでなく職場の同僚全員に迷惑をかけるうえ、せっかくの忘年会を
不快なものにしてしまいます。
マイカーでの出勤者はいません。
職場近くの飲食店で、忘年会は始まりました。
今年1年間の業務の進捗状況、スムーズに進まなかった業務、やり残したこと、
計画通りに達成したこと、来年の抱負や目標等について話がはずみます。
お酒が入ると、家庭のことや子供のことにも話が及びます。
二次会は、希望者でカラオケに行きました。
甲さんは、得意な演歌の「こぶし」に力が入ります。今日は楽しい忘年会でした。

〇 帰途
甲さんは、忘年会からの帰宅は予定通り、路線バスで帰ることとしました。
バスに乗って、今日の忘年会を思い出していました。
今日は、お酒を少々飲み過ぎたようだな等と思っていると、コックリと居眠りを
してしまいました。
バス車内でのバス停案内の放送が、聞きなれないのに気付いて、ふと目を開けると、
甲さんが乗降するバス停を一つ通り過ぎていました。
しまったと思った甲さんは、急いで次のバス停で降りましたが、後戻りのバスは
もう有りません。
甲さんは近道をして、歩いて帰ることにしました。
〇 道路状況等
甲さんが近道の道路は、破線のセンターラインは有りますが、歩道は無く両側に
路側帯が引いて有ります。
道路には、最高速度40キロと駐車禁止の道路標識が立っています。
路面は、アスファルト舗装です。
道路環境は、住宅と畑、倉庫等が混在しており、S字に曲がった登り下りの舗装道路が
あります。
天気は晴れていますが、月は出てなく、冷たい風が酔った頬に気持ち良く感じられます。
〇 自宅への帰り道
甲さんはバスを降りてから、少しふらついて歩き始めました。
天気は良いのですが、街路灯がないところは、暗く感じられます。
甲さんは、道路左側路側帯の白線付近を歩いています。
バス停を一つ乗り過ごしましたが、この道を通れば20分位で自宅に着くはずです。
今歩いている場所からは、右カーブで少し上り坂です。その先は、急な左カーブで
下り坂となっています。
甲さんが、この急な左カーブを半分ほど過ぎた時です。
後ろから来た普通乗用自動車が、甲さんの腰付近に衝突し、甲さんは
左斜め前5メートル前方に飛ばされました。
甲さんは、すぐに救急車で病院へ運ばれましたが、亡くなりました。
この時の甲さんは、上下黒っぽい背広の上に、黒っぽいコートを着ていました。

〇 乙さんの話
甲さんに衝突した車を運転していた乙さんは、急な左カーブを曲がるに際して、
少しスピードを落とし、対向車が右カーブをセンターラインを踏んで曲がることが
多いので、正面衝突を避けるため左側路側帯いっぱいに左前輪を寄せて曲がっていたところ、
路側帯ライン上付近を歩いていた甲さんと衝突したのです。
当時、カーブ付近は街路灯がなく、暗くて甲さんも真っ黒い服装をしていたので、
乙さんは衝突直前まで甲さんに気が付きませんでした。
この時、前照灯は対向車とすれ違ったばかりで、下向きにしていました。
〇 この事故の振り返り
甲さんは、バスを乗り過ごして、あまり通らない近道を歩いて帰る方法を選択しましたが、
道路の左側を通行せずに右側通行していれば、後ろから衝突されなかったのでは、と思います。
さらに、黒っぽい服装は、夜間発見されにくい服装です。
明るい色や反射材を利用することが大事です。
また、乙さんは、カーブでもっとスピードを落として、ゆっくり走るべきでしょう。
左カーブでは、前照灯は右前方から照らしていくので、左側端を照らすのは遅れます。
それを考えて、しっかりとスピードを落とし、前方の安全を確認しながらゆっくりと
曲がりましょう。

それでは、第130回はこのへんで、次回をお楽しみに! (緑 一郎)