安全運転アドバイス47 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.128》

 緑 一郎のページへようこそ!

 このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
 
 ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。

 第128回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「安全運転アドバイス47」』です。
 第127回の「安全運転アドバイス46」では、『「事故はこうして起きた」パート2』
について、呟きました。
 第128回の「安全運転アドバイス47」は、『「事故はこうして起きた」パート3』
について呟きます。

◎ 「事故はこうして起きた」パート3

〇 夫婦喧嘩をしての運転は、危険です。

  甲さん(60歳)は、日頃は真面目に仕事をしており、少々お酒が好きですが
 温厚な性格の人物です。

  11月の夕方6時頃、自宅で奥さんとあることが原因の大喧嘩をしました。
  家に居ても面白くない甲さんは、「出てくる」と言い残して、車のキーを持ち
 車庫へと向かいました。
  先ほどの夫婦喧嘩で、「胸のイラつき」が収まらない甲さんは、街の飲み屋街へ
 一人で行くつもりです。
  甲さんは、マイカーの軽四輪乗用自動車を運転して出発しました。

〇 道路状況

  この時間は、夕方のラッシュと重なって、道路は車の交通量も歩行者も増えています。
  また、この時期は忘年会のシーズンにもなり、歩行者が一層多くなっている感じです。

  甲さんが走っている道路は、片側2車線の道路で、往復4車線です。
  両側には、マウントアップの歩道があります。
  道路の両側には、ビルや商店、ガソリンスタンド等が立ち並んでいます。
  道路は、外灯に加えてビルや商店等の照明で、明るい通りとなっています。
  各交差点には、信号機が設置されており、横断歩道のある場所には、歩行者用灯器も
 設置されています。
  横断歩道の白線や停止線は、明瞭に視認することができます。
  この道路の先には、X字交差点があります。

〇 X字交差点

  X字交差点が、十字交差点と異なるところは、道路と道路が斜めに交差して
 交差点を形造っている点です。

  道路が斜めに交差しているからと、車道に対して横断歩道を斜めに引くわけには
 いきません。
  斜めに引くと、歩行者の横断時間が長くなります。幼児、高齢者、障害のある方々等には、
 横断時の歩行等の負担が増え、信号機の歩行者灯器への配分時間を増やさなければ
 ならなくなります。
  信号機のサイクルが長くなると、各方向の待ち時間も長くなります。

  また、車両の停止線を、斜めに引くわけにもいかないでしょう。
  横断歩道は、基本的に車道に対し直角に引かれています。

  X字交差点では、横断歩道に囲まれた交差点面積が広くなります。
  交差点面積が広くなると、それぞれの車道に引かれた横断歩道と横断歩道の
 距離が長くなり、車は交差点内の通行時間が長くなります。

〇 甲さんの運転

  甲さんは、X字交差点に差し掛かり、そのまま直進しました。
  スピードは出していません。

  交差点出口の横断歩道を、通過しようとした時です。
  横断歩行者用の信号灯器が青信号に変わり、信号待ちをしていた50代の男性が
 横断を始めました。
  男性が横断歩道を2歩進んだところで、甲さんは「あっ」と叫んで、ブレーキを
 踏もうとしましたが間に合わず、車の左前方と男性が衝突しました。
  男性は、7~8メートル先に飛ばされ、重傷を負いましたが、命は助かりました。

  甲さんは運転しながらも、喧嘩の事ばかり考えていて、何色信号で交差点に入ったのか、
 衝突直前の信号灯器の色は何だったか、記憶にないと話しています。

〇 この事故の振り返り

  甲さんは、街の飲み屋街に向かったのですから、帰りは飲酒運転するつもり
 だったのでしょうか。
  お酒を飲むつもりなら、近所で買ってきて自宅で飲めば、事故は起きなかったと
 思うのですが、奥さんの顔を見ながら飲むことは、したくなかったのでしょうね。

  次に、X字交差点の通過ですが、ここは何度も通ったことがあるでしょうから、
 交差点内の距離が長いことも知っているはずです。

  日頃から、信号灯火を守る運転を心掛けましょう。
  甲さんは青色灯火で交差点に進入していれば、通過できたはずです。
  黄色灯火は停止位置をこえて進行してはならないが基本です。
  甲さんの場合、交差点の出口では赤信号だったことが容易に想像でき、
 このような場合、いつも以上に周囲に十分注意する必要があったと考えられます。
  さらに、運転時には精神的な安定が必要ですね。

それでは、第128回はこのへんで、次回をお楽しみに!   (緑 一郎)