安全運転アドバイス45 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.126》

 緑 一郎のページへようこそ!

 このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
 
 ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。

 第126回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「安全運転アドバイス45」』です。
 第125回の「安全運転アドバイス44」では、『「散歩をしましょう!」パート3』
ついて、呟きました。
 第126回の「安全運転アドバイス45」は、『「事故はこうして起きた」パート1』
ついて呟きます。

◎ 「事故はこうして起きた」パート1

〇 Aさんは、Bさんを訪ねました

  Aさんは、60歳の男性で、会社では部長の役職です。
  これまで、車の運転に関して、交通事故・交通違反歴はありません。
  ある日、Aさんは自宅から1時間程の甲町に行く用件ができました。

  甲町に行くのなら、甲町から近いBさんを久しぶりに訪ねてみよう。
  突然行って、ビックリさせようと思いました。
  Bさんは、10数年前に仕事を通じて知り合った間柄で、話の馬が合う仲の良い知人です。

  Aさんの車は、普通乗用自動車で、甲町からBさん宅へは、車で20~30分の距離です。
  手土産を用意して、甲町の用件が終わった後、車を走らせました。
  Bさん宅近くに着き、車は道路を挟んで反対側の、誰でも駐車できる広い駐車場に
 駐車しました。

  Bさん宅に行くと、施錠がしてあり外出中の様子で、中から応答はありませんでした。
  連絡して来れば良かったかなと思いながら、しばらく待てば帰って来るかもしれない
 と思い、車の中で待つことにしました。

〇 1時間が経過しました

  駐車場は、時々車が出入りしたり、人が通ったりする程度で、横の道路も交通量は、
 閑散としています。
  Aさんは、もうしばらく待つか、出直そうかと迷っていました。
  そして、せっかく来たけど、連絡せずに来たのが誤りだった。次は事前に連絡して、
 無駄足を踏まないようにしようと決断しました。

〇 帰路へ

  Aさんは、帰路につくことにしました。
  AT車のギアを、Dレンジにいれ、サイドブレーキを降ろしました。
  ブレーキを緩めると、クリープ現象でゆっくりと動きはじめます。
  両手でハンドルを握り、通りへ左折で進入するため、左折の方向指示器をあげました。
  しかし、Bさんが帰って来ないか気になり、家の方にチラチラと目線が向きます。

  3度目位に向いた時、車のボンネットの方から
  「ドンドン」
 と、叩く音がしました。

  Aさんは、ハットして前を見ると、歩行者(Cさん)が立っていました。
  Aさんは、
  「危ない!」
 と叫び、ブレーキを踏んだつもりが、慌ててアクセルを踏んでいたのです。

  車は、歩行者を押し倒し、轢過(轢くこと)してしまいました。
  Cさんは、救急車で運ばれましたが、亡くなりました。

〇 Aさんの責任

  Aさんが久しぶりに、知人を訪ねてきたら不在だったので、いつ帰って来るのだろうと
 待っている気持ちは、良く分かります。
  しかし、車のエンジンを掛けて、ギアをDレンジ入れたら、車は動き出すのですから、
 車の前方や周囲に、車や人がいれば衝突するかもしれないと予見して、衝突しないように
 ブレーキやハンドルを操作して、事故を回避する必要があるのです。

  Aさんは、ギアをDレンジに入れた後、前方や周囲を見ようと思えば、顔を動かすだけで、
 十分見る余裕はあるのですが、知人のことが気になって、交通量も少ないことから、
 油断していたのかもしれません。

  前方や周囲へ注意をしていれば、この事故は回避でき、悲惨な結果は防げただろうと
 思うのです。
  さらに残念なことは、Cさんを発見した時、慌ててブレーキとアクセルを踏み間違えたこと
 です。
  車が動き出してからは、車の前方や周囲に注意をしておれば、Cさんを早く発見して、
 このままでは衝突すると判断すれば、余裕でブレーキ操作ができ、事故の回避は可能であった
 と思うのです。

〇 ハンドルを握ったら

  このような事故は、誰にでも起こる可能性があります。

  ハンドルを握ったら、運転に集中しましょう。
 「運転に集中する」ということは、周囲に対して必要な注意を怠らず、事故等の結果の
 予見とその回避行為に集中することです。

それでは、第126回はこのへんで、次回をお楽しみに!   (緑 一郎)