どんな基準で「人」に投資していますか

日本経済新聞の記事に、企業の人的資本について情報開示の動きが本格化している

とありました。

これまでは、従業員は決まった労働をこなすだけのコストいう考え方でしたが、

今の時代は従業員=価値を生み出す投資対象として考えるようになっています。

そして、上記の記事によると、従業員育成にどれだけ投資しているかで

企業の成長性を判断しようという動きも出ています。

経済産業省のホームページを見てみると、非財務情報である人的価値の可視化を進めて、

企業価値の評価基準にしていこう、とする動きです。

従業員の育成に、どれだけの投資をしているのかを企業の成長性の判断材料としていこう、

としています。

少し前までの従業員評価制度は、スキルや資格・経験、そしてリーダーシップをもとに、

業績に貢献する結果を出せるかどうかだけが判断基準になっていたように思います。。

今回の動きでは、労働力をコストと捉え、人件費の抑制によってわずかな収益を確保する

という経営から、優れた人材が生み出すイノベーションによって社会の課題を解決し、

人への投資に見合った利益を実現する成長と分配の好循環をつくる経営へとシフトすること

を促しています。

情報の開示が望ましいと政府が企業に促そうとしている主な項目は、下記となります。

人材育成・リスキリング、リーダーシップ、エンゲージメント、採用、ダイバーシティ、

精神的健康・身体的健康、安全・リスク管理、労働慣行、福利厚生、賃金の公平性、

コンプライアンス・倫理、など、企業によって公開できる数値化された「人的資本」に関する

情報は自発的に公開し、社会的な評価を確立していこう、と促しています。

こんなにもたくさんの項目を意識しながら仕事を進めることって難しいと思いませんか。

事業規模や業界特性がある中で、これだけの判断基準を守りながら、

人材への投資を考えることは難しいと感じるかと思います。

中小企業にとっては現実的ではないと感じられるかもしれませんが、

このような取り組みを進め、「人」への投資を適切に施さないと、

どんどん時代に取り残されていってしまうことになります。

皆様の会社はこれらの項目を意識した上で、従業員を評価できていますか。

弊社 安全会議の取り組みは、「リーダーシップ」や「人材育成・リスキリング」に着目し、

「頼れる管理職」を増やすことで、その他の様々な項目を網羅できる、と考えています。

もちろん、会社としてルール化が必要な項目もありますが、会社がルールを策定したとしても

管理職がそのルールを実践・実行し、従業員が納得・安心して行動できるかが鍵だと考えています。

私事ですが昨日、娘と久しぶりに話をすると、育休の話が出ました。

娘のことではなく、婿のことでした。

婿は会社から「育児休暇を取得していないので、今月末までに3日間の育児休暇を取ってください」と

言われたとのことで、娘夫婦と子ども2人の4人で家族旅行にいくそうです。

男性も育児休暇を取得できるようになりましたが、

実際には、まだまだ取得状況は進んでいないと感じます。

そんな中、実践している企業が、こんなに身近にあったとは少し驚きました。

人材は「人財」と言われてきましたが、「人への投資」が明確化され、

企業の成長には、人の成長、いわゆる指導、教育、研修、支援が如何に大切なのか、

ということがようやく企業を経営する立場の方々にも、社会にも重要視され始めていることが

実感できました。

私は、従業員を大事にしつつ、適切な形での成長を促すことができれば、

順調に事業を伸ばすことができると考えています。

頼れる管理職を増やしたい、社内外のコミュニケーションを深めたい、主体性のある組織にしたい、

交通安全・作業安全を徹底したい、ハラスメント・メンタルヘルスの研修をしたい、など、

「人」にまつわる取り組みを始めたいとお考えの経営者、経営幹部の皆様、

「結局、人だ、すべては愛だ」と考える安全会議へ、いつでもお気軽にご相談ください。

(森川美希)