飲酒運転根絶21 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.88》

 緑 一郎のページへようこそ!

 このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
 
 ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。

 第88回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「飲酒運転根絶21」』です。
 第87回の、「飲酒運転根絶20」は「早めの対策を」について、呟きました。
 第88回の、「飲酒運転根絶21」「アルコールの基礎知識」について、
呟きます。

〇 飲酒運転事故の実態

  警察庁の発表によりますと、令和3年中に発生した

  飲酒運転による交通事故件数は、 2,198件
  うち死亡事故件数は、        152件
  飲酒運転の死亡事故率は、飲酒なしの約9.2倍
  となっています。

  この数字を見て、どのように思いますか。
  この数字には、必ず多くの責任がついてきます。

    刑事責任
    行政責任
    民事責任
    社内責任
    地域責任

 等です。
  特に、152件の死亡事故には、事故の第一当事者の死亡も含まれている
 かもしれませんが、第一当事者には重い責任が科せられることとなり、
 当人のみならず家族や周囲の方にも、その影響が及ぶこととなります。

〇 “しまった”となる前に!

  事故を起こしてから、“しまった”では間に合いません。
  ハンドルを握る前に、もう一度、アルコールのことを振り返ってみましょう。

  人はどうしてお酒を飲むのでしょうか。
  人は、お酒を飲むことで、「気分が良くなる」「食欲が増す」等の、
 効用があることを知っています。

  これは、人の脳の中には「ドーパミン」という快楽物質を放出する
 細胞があるからです。お酒を飲むことで、アルコールが脳内に増えるにつれて、
 この細胞が興奮状態になり、歯止めなく「ドーパミン」を放出します。

  すると快楽が暴走し、飲みたい気持ちを止められなくなるのです。
  このため、お酒を飲むことによって理性の働きが弱められ、
 警戒心が解けて、気分が開放的になり、会話がはずみ人と打ち解けやすくなります。

  「飲みにケーション」等と言って、会話がはずみ人と親しくなるのに、
 お酒はもってこいの飲み物です。
  しかし、車を運転する人、運転を管理する人は、このことをよく知った上で、
 飲酒量、飲酒後のアルコール分解時間等を考えて、飲酒をコントロールしなければ
 なりません。

〇 お酒に含まれる「純アルコール量」

 ・ ビール500ml缶(アルコール5%)
   500ml×0.05%×0,8(アルコールの比重)=20g

 ・ 日本酒180ml(1合、アルコール15%)
   180ml×0.15%×0.8(アルコールの比重)=21.6g

 ・ ウィスキー60ml(ダブル、アルコール43%)
   60ml×0.43%×0.8(アルコールの比重)=20.64g

 ・ ワイン200ml(グラス2杯、アルコール12%)
   200ml×0.12%×0.8(アルコールの比重)=19.2g

 ・ チューハイ350ml缶(アルコール7%)
   350ml×0.07%×0.8(アルコールの比重)=19.6g

 ・ 焼酎100ml(アルコール25%)
   100ml×0.25%×0.8(アルコールの比重)=20g

  それぞれのお酒の「純アルコール量」計算結果を見ていただくと、
 概ね20gです(純アルコール20gを1単位と言います。)。
  お酒の種類によって純アルコール20gに相当する酒量が、
 このようにかなり違うことを、今後に役立てましょう。

〇 アルコールの分解時間

  肝臓で分解できるアルコールの量は、
 体重1㎏あたり1時間で0.1gと言われています。
  例えば、体重50㎏の人は、1時間でアルコール5gを分解できる
 ということになります。

  アルコール20g(1単位)の分解は、20g÷5g=4時間となります。
  また、2単位の分解時間は8時間、3単位は12時間となります。
  これは、お酒の飲める健康な男性の平均値です。体調の悪いときは、
 アルコール分解時間が長くなります。

  また、女性は、男性に比べ肝臓の大きさの平均が小さいので、
 1単位の分解時間は5時間と言われています。

〇 飲酒運転の危険性

  アルコールは“少量”でも、脳の機能を麻痺させます。
  飲酒時には、安全運転に必要な情報処理能力、注意力、判断力などが
 低下します。具体的には、「気が大きくなり速度超過などの危険な運転をする」
 「車間距離の判断を誤る」「危険の察知が遅れたり、危険を察知してから
 ブレーキペダルを踏むまでの時間が長くなる」など、飲酒運転は交通事故に
 結びつく危険性を高めます。

  しまったとなる前に、アルコールの性質を理解し、飲酒運転の危険性を
 しっかりと頭に入れておきましょう。

<参考文献>
 「警察庁 統計資料 飲酒運転はなぜ危険か?」
 「NHKスペシャル食の起源第4集「酒」~飲みたくなるのは“進化の宿命”!?~」
 「ASK飲酒運転防止通信スクール資料」

それでは、第88回はこのへんで、次回をお楽しみに!    (緑 一郎)