安全運転アドバイス18 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.80》

 緑 一郎のページへようこそ!

 このページは、(株)安全会議が提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
 
 ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れて
いただき、これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、交通事故から
ご自分やまわりの方々を守ることができれば、それは私にも「最高の幸せ」
いう思いから、“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。

 第80回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「安全運転アドバイス18」』です。
 第79回の、「安全運転アドバイス17」は一時停止しようについて、
呟きました。
 第80回の、「安全運転アドバイス18」「踏切の一時停止」について、
呟きます。

〇 踏切の一時停止」

  「踏切の一時停止」の前に、踏切について少し呟いてみたいと思います。

 <踏切の数>

   全国の踏切数は、
  ・ 昭和35年度当時は、約71,000か所
  あったのが、踏切道改良促進法等により立体交差化、統廃合等が進み、
  ・ 令和元年度には、  約33,000か所
  と大変少なくなっています。

 <踏切の種類>

   踏切には、次のとおり第一種から第四種までの種類があります。

  第一種踏切 自動遮断機が設置されているか、または踏切保安係が配置
       されている踏切です。(遮断機あり・警報機あり)

  第二種踏切 一定時間を限り、踏切保安係が遮断機を操作する踏切です。
        (現在、国内にはないそうです。)

  第三種踏切 踏切警報機と踏切警標がついている踏切です。
        (遮断機なし・警報機あり)

  第四種踏切 踏切警標だけの踏切で、列車の接近を知らせる装置はありません。
        (遮断機なし・警報機なし・踏切警標のみ)

 <踏切事故の発生件数>

   昭和35年度に、5,482件発生した踏切事故は、令和元年度には、
  211件の発生と大幅に減少しています。
   この要因は、立体交差化等による踏切数の減少と、踏切を第3・4種から
  第1種への改良等が行われたことが上げられると思います。

   しかし、令和元年度の211件の内容を見てみると、負傷者が132人、
  死亡者が84人となっています。事故件数に対し死亡者の発生が約40%と、
  踏切事故の死者率の高さ(危険性)がお分かりになると思います。

   ちなみに、令和元年中の全国の交通事故発生件数は381,237件に
  対して、死亡者は3,215人で、死者率は0,8%となっています。

 <踏切事故が発生すると>

   踏切事故では、一般的な交通事故と異なり、刑事責任と高額の損害賠償を
  求められることが、容易に予想されます。
  ・ 踏切での、車と列車の事故の場合、多数の死傷者発生が予想されます。
  ・ 死傷者の治療費や逸失利益等の高額な賠償費が発生します。
  ・ 列車の車体や踏切施設等の修理費は、高額となります。
  ・ 脱線等の復旧には多くの人員・機材が必要で、人件費等が発生します。
  ・ 列車の乗客を代替輸送すると、バス費用等が発生します。
  ・ 乗車券、特急券等の払い戻しをした場合、払い戻し費用が発生します。
  このような事にならないために、確実な一時停止と安全確認が必要です。

 <こんな事例も>

   今から、40年程前の事例です。
   1月のとても寒い日でした。
   その日の夜は先輩と会い、仕事の打ち合わせの後、一杯やって先輩の家に
  泊めてもらう約束で、職場を早退し車で、先輩の所に向いました。

   所要時間は約2時間です。出発してからは渋滞もなく、順調なドライブが
  続いていました。30分位経過した頃、雪がチラチラ舞ってきました。
   今夜は寒くなりそうだな、と思いながら1時間位経過した頃、路面がうっすらと
  白くなってきました。

   この位なら大丈夫だろうと思っていると、緩やかな登坂となり、
  トンネルまで2~3キロのところで、前方に渋滞が発生して、前方の車が
  全く動かなくなりました。事故だろうかと思い車を降りて見ると、路面の雪が
  凍りつき、スリップしてどの車も前へ進めない状況でした。

   タイヤチェーンを持った車はほとんどない様子です。私は、たまたま
  トランクにチェーンを積んでいました。助かったと思い、急いでチェーンを
  着装して止まっている車を尻目に、再び走り出しました。

   15分位走った頃です。辺り一面は真っ白となり、道路の形状は判りますが、
  センターラインも見えません。走っているのは、自分だけです。
   その時、アッと思って急ブレーキを踏みました。10メートル位前の踏切に
  気付いたのです。

   私は、思いっきりブレーキを踏みましたが、タイヤはロックして車は止まって
  くれません。しまった、と思いましたが、車は踏切を通過して、30メートル位
  行った場所でやっと停止しました。

   しばらく、右膝の震えが止まりませんでした。列車が来てなくて良かった、
  来ていたら即死だったでしょう。チェーンは雪道の前進には強いが、
  急ブレーキには無力だと強烈に体得しました。その後、荒天時の運転には
  異常な程、慎重になりました。

《参考文献》
 国土交通省統計資料他

では、第80回はこのへんで、次回をお楽しみに!    (緑 一郎)