大規模災害対策:運転編2 《緑 一郎つぶやきシリーズVol.49》
緑 一郎のページへようこそ!

このページは、(株)イエス,アンドが提供する、安全運転への呟きアドバイスです。
ここでは、私の安全運転への“つぶやき”から、これは“ゲット”と思った
「とっておき情報」や「これはいいね情報」を、あなたのポケットに入れていただき、
これから運転する時に、ポケットの中を思い出して、
交通事故からご自分やまわりの方々を守ることができれば、
それは私にも「最高の幸せ」という思いから、
“つぶやき”シリーズのページで呟くことにしました。
第49回は、『緑 一郎“つぶやき”シリーズ「大規模災害対策:運転編2」』です。
前回は、「大規模災害対策」のうち「台風の風の影響」について❝つぶやき❞ました。
今回は、「大規模災害対策」のうち「集中豪雨」について、つぶやいてみたいと
思います。
○ 集中豪雨
気象庁の、雨の強さに関する用語によれば、「豪雨」「集中豪雨」について
とあります。
○ 最近の集中豪雨の傾向
近年、温暖化や都市化に伴う気候変化によって、局地的豪雨は増加傾向に
あります。気象庁の統計によると、1時間50mm以上の豪雨の発生回数は、
年々増えており、この30年で約1.4倍に増加しています。
集中豪雨増加の原因は、地球温暖化が大きいと考えられています。
なかでも局地的豪雨は、短時間のうちに小河川の増水氾濫、道路の冠水や
家屋の浸水をもたらします。
○ 内水氾濫
河川から離れた、市街地や住宅街に降った雨の排水が間に合わないことで、
街が水で溢れてしまうことです。
近年、1時間に50mmを超える集中豪雨により、小河川の急激な水位上昇や、
地下空間等での浸水被害が頻発しています。都市域の内水氾濫の多くは、下水道の
処理能力を超える雨水が一気に流入することにより発生しています。
○ 冠水路での走行可否
冠水路での走行可否について、JAFはテスト結果を公表しています。
冠水路走行テスト(JAFユーザーテスト)【水平走行距離30m】
・ エンジンが停止した原因は、エアインテーク(空気の取り入れ口)を通して
エンジン内部に水が入ったためと考えられる。
・ 同じ水深でも、速度が高くなると巻き上げる水の量が多くなり、エンジンに
水が入りやすくなる。
・ 速度を落せばある程度まで走行できる可能性はあるが、他の要因でエンジン
が止まることもあるので、走りきれるとは限らない。
・ 実際の冠水路では水深も水の中の様子もわからないため、冠水路に遭遇したら
安易に進入せず、迂回することを考えた方がよい。

○ 集中豪雨時の運転
集中豪雨の傾向や内水氾濫等が分かったところで、今後の注意点です。
① 冠水路では、スピードを上げる程、水を巻き上げてエンジン内に水が
入りやすくなり、エンジン停止の原因となります。冠水路には入らず、
冠水路より高い位置の道路を選んで迂回するようにしましょう。
② 迂回路を選ぶ際は、「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」
「土砂災害危険箇所」等を避ける必要があります。そのためには、普段から
県市町村の「土砂災害ハザードマップ」を見ておくことも大事です。
③ アンダーパス(道路や線路等と立体交差し、周辺の地面より低くなった
下部道路の部分)は、集中豪雨等の際、雨水が深く溜まりやすく、車が水没
して溺死事故等が発生しやすい場所だということを心に留めておきましょう。

④ 「内水氾濫」の項目でつぶやいたように、大きな河川から離れた場所でも
道路冠水が発生することを知っておきましょう。
⑤ 河川敷の駐車場に、長時間駐車して遠方へ行くのは、急な増水時に
間に合いません。増水した河川敷に取り残された車を、テレビニュース等で
見たことがありませんか。
⑥ 大きな河川の堤防が切れて、大量に川の水が流入して来たら、まず逃げる
ことです。命が一番大事です。この際、水平移動するかビルの屋上等に
垂直移動するか、日頃からちょっと立ち止まって、辺りを見渡してみましょう。
《参考文献》
「気象庁・雨の強さに関する用語」
「月間推進技術Vol.32 No.6 2018「最近の集中豪雨の特徴と今後の予測」」
「JAF 冠水路走行テスト(JAFユーザーテスト)」

では、第49回はこのへんで、次回をお楽しみに!
(緑 一郎)